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生物多様性シンポジウム「奄美群島の生物多様性:その魅力を再発見」

[16.02.04]

 

 奄美大島を中心とした奄美群島は、大陸との連結と隔離を繰り返した複雑な地史、黒潮による生物伝搬、暖温帯と亜熱帯の境界部にあり異なる温度環境を持つこと等から、多くの固有種・希少種が生息し、極めて高い生物多様性を擁しています。また、島の伝統的な生活や社会のあり方が、この多様性を維持する上で重要な役割を担っていることが指摘されており、これによって、原生的自然ではなく太古の昔から人間の影響を受けながら存在した自然の価値という、自然に対する新しい価値観を提示することにもなっています。この自然と価値観を次世代に引き継ぐため、世界自然遺産への登録に向けて様々な試みが行われていることはご存じの通りです。
 
 鹿児島大学では、国際島嶼教育研究センターの奄美分室を開室すると共に、薩南諸島の生物多様性を明らかにし、豊かな自然との共生を継続してきた地域社会の歴史的背景を再認識するための研究プロジェクトを展開してきました。プロジェクトには各学部、各専門分野の研究者が参加しており、地元の総合大学ならではの成果があげられるものと考えています。
 
 プロジェクトの研究成果を地元の皆さんに知って頂こうと、奄美市でのシンポジウムを企画しました。このシンポジウムは、地元の皆さんがこの自然をどう感じておられるか、多様性のどの部分を評価されているかを大学の研究者が知る機会にもしたいと考えています。そこで、奄美在住の方と大学の講演者が、奄美群島の生物多様性の魅力を互いに紹介し合う構成にしました。さらに、この魅力を維持してきた島の歴史や伝統的生活の意味についても考えます。
 
【日 時】平成28年2月21日(日) 13:00~17:00(12時受付開始)
【場 所】名瀬公民館金久分館2F研修室
 
【内 容】
開催の辞 13:00-13:05 住吉 文夫(鹿児島大学・理事)
講演 
13:05-13:30 「湯湾岳の希少植物」 山下 弘(植物写真家) 
13:30-13:55 「オキナワウラジロガシ林の維持機構」 鵜川 信(鹿児島大学農学部・准教授) 
13:55-14:20 「地域資源としての奄美の海洋生物」 興 克樹(奄美海洋生物研究会・代表) 
14:20-14:45 「奄美群島の藻類・海草類と生育環境」 寺田 竜太(鹿児島大学水産学部・准教授) 
14:45-14:55 休憩  
14:55-15:20 「なぜオオトラツグミを守るのか:希少種と生物多様性の保全を考える」 水田 拓(環境省奄美野生生物保護センター・自然保護専門員)         
15:20-15:45 「人間とあまくろの交差点:野生動物の観光利用を考える」 鈴木 真理子(鹿児島大学島嶼研奄美分室・プロジェクト研究員)         
コメント 生物多様性と人間の関わり:先史時代と現代 
15:45-15:55 高宮 広土(鹿児島大学島嶼研・教授) 
15:55-16:05 鈴木 祥之(環境省奄美野生生物保護センター・上席自然保護官) 
16:05-16:15 休憩 
パネルディスカッション 
16:15-16:55 司会 藤井 琢磨(鹿児島大学島嶼兼奄美分室・特任助教)  パネラー 上記講演者、桑原 季雄(鹿児島大学法文学部・教授)、大海 昌平(奄美両生類研究会・代表)  
*近世から近代の先人達が奄美群島の生物多様性とどのように関わってきたか、現代の社会にも残るそのやり方も参考に、今後の関わり方を探っていきます。 
閉会挨拶 16:55-17:00 鈴木英治(鹿児島大学理学部・教授)
 
どなたでも参加できます。参加は無料です。
 
* 終了後、参加してくださった皆さんと講演者、パネラーの皆さんとの交流タイムをもうけます。講演やパネルディスカッションで質問しにくかったことをもっと聞きたい、今後のために連絡先を交換したい、という皆さんはぜひお残りください。
* 名瀬公民会金久分館には駐車場がありますが、使用できる台数が限られています。できるだけ公共交通機関でのご来場をお願いします(バス停「長浜入り口」下車すぐ)。
 
 
【お問い合わせ】
国際島嶼教育研究センター
TEL: 099-285-7394  FAX: 099-285-6197 
 

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