トップページお知らせ第168回 国際島嶼教育研究センター研究会のご案内

第168回 国際島嶼教育研究センター研究会のご案内

[16.04.21]

国際島嶼教育研究センター研究会を下記のとおり開催いたします。皆様方、多数のご参加を心よりお待ち申し上げます。
 
日 時:平成28年4月25日(月)午後4時半~
会 場:総合教育研究棟5階 国際島嶼教育研究センター会議室
講 師:鈴木真理子(国際島嶼教育研究センター)
演 題:奄美大島における林道での観光がアマミノクロウサギの生理や行動に与える影響の評価
 
【要旨】
 アマミノクロウサギ(Pentalagus furnessi)は奄美大島と徳之島にのみ生息する日本固有種である。
夜行性で、林道や河川などの開けた場所に排泄や採食のために出没する習性がある。この習性を利用して、夜間に車で林道上を探索する観光が近年増加している。しかし、観光を含む自然を利用した娯楽活動の過多は、そこに生息する野生動物にストレスを与え、行動や行動域の変化、個体数の減少を招くことが様々な種で知られている。
 本研究では、奄美大島における観光による林道利用がアマミノクロウサギの行動や生理に影響しているかを明らかにするため、まず、糞塊による出没頻度調査と自動撮影から、アマミノクロウサギの林道利用の実態について調べた。
糞塊による調査では、DNAによる個体識別を行った。次いで、ストレスの指標となる糞便中コルチゾル濃度について、林道交通量の異なる時期、および人の利用頻度が異なる林道間で比較をおこなった。分析の結果、調査を行った林道区間で4個体以上が利用しており、その排泄場所は局所的であった。林道上では休息や匂い嗅ぎ、2匹による追撃行動なども見られ、林道が重要な活動空間であることがわかった。しかし、今回得られた結果では、林道への出没頻度およびコルチゾル濃度と交通量との関連は見られなかった。
 一方で、交通量の異なる林道間ではコルチゾル濃度の差が見られた。アマミノクロウサギの生態や林道利用については、繁殖期や食物量の変化、捕食者の有無なども考慮する必要があるため、これらについても考慮しながら、観光の影響について考察したい。
 
※参加無料でどなたでも参加できます・当日参加可能
 
この研究会は、本学当センターと奄美分室をスカイプでつないでおり、奄美分室でも視聴することができます。
奄美分室へもお気軽にお運びくださいますと幸いです。
 
詳細は、国際島嶼教育研究センターHPをご参照ください。こちら
 
 
【問い合わせ先】
鹿児島大学国際島嶼教育研究センター
電話:099-285-7394 Fax:099-285-6197
E-mail:shimaken@cpi.kagoshima-u.ac.jp