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国際島嶼教育研究センター第224回研究会のご案内

[22.10.24]

「パプアニューギニアにおけるバナナの多様性とその利用について」

【日時】 令和4年11月7日(月) 16時30分~18時00分
【場所】 総合教育研究棟5階 国際島嶼教育研究センター会議室


千葉大学文学部 小谷 真吾教授

 パプアニューギニアにおけるバナナ栽培は、人類史における農耕の起源や現代世界における品種の分布パターンを探る上で重要な研究対象です。本発表では、特にモロベ州マーカム川流域とセントラル州沿岸部の 2 地域の品種と栽培実践に焦点を当てます。この2地域では、バナナをカラプアグループとその他グループに分けることが共通しています。カラプアグループは、ゲノム型がABB、果実は短く角張っている、料理バナナとして栽培されるなどの特徴があり、ピジンイングリッシュ、およびいくつかの現地語でグループの名称として使われています。高地周縁地域の先行研究においてこのグループの利用はほとんど確認できないため、特に低地地域の人々にとって重要な品種群であると推定されます。
 カラプアとその他のグループの品種は異なった畑で栽培されていました。対象地域の人びとはグループ間で成長速度や気候への耐性が異なると考えており、畑の利用年数や混栽の有無はそのローカルノレッジの妥当性を裏付けます。栄養素分析を行った結果、炭水化物を除く栄養素がカラプアグループで比較的低いことが示されました。両地域の人びとは、カラプアと他の品種を別の作物グループと認識し、生産・消費していると結論づけられます。つまり、カラプアは乾燥と洪水の両方に耐性があると考えられ、持続可能な主食として栽培されています。他のバナナは、栄養補助食品、現金収入の手段として栽培されていると考えられます。

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【申込方法】 11月4日(金)までに下記へお申し込みください。
 対面式:     先着15名様まで。
          shimaken@cpi.kagoshima-u.ac.jpまたは099-285-7394へ(担当:西)
 オンラインZoom:yotsuka@cpi.kagoshima-u.ac.jpへ (担当:大塚)