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【島嶼研】第230回研究会のご案内

[23.05.31]

【日時】 令和5年6月19日(月) 16:30~18:00
【会場】 総合教育研究棟5階 国際島嶼教育研究センター会議室およびオンライン(Zoom)


奄美群島における焼塩土器の基礎的研究

【要旨】
 これまで古代九州の焼塩土器(布目圧痕土器)が奄美群島で出土することは知られていた。焼塩土器が九州からの搬入品の一つとされる一方で、奄美群島の在地土器と焼塩土器の胎土が共通することも指摘されていた。すなわち奄美群島内で焼塩土器を生産しており、奄美群島の焼塩土器は貝塚時代後2期後半の社会状況を示す遺物の一つになる可能性がある。
そこで奄美群島出土の焼塩土器の詳細な観察を行い、鹿児島本土の焼塩土器と比較を行った。また奄美群島での焼塩土器の出土事例の集成も実施した。その結果、奄美群島の焼塩土器と鹿児島本土のものは器形と内面の布目痕が共通し、胎土・製作方法・年代観が異なることがわかった。
したがって奄美群島内で焼塩土器が生産・流通していたと推定された。同時に古代九州の製塩技術が奄美群島に伝播した可能性が出てきた。そして奄美群島における焼塩土器の出現・展開の背景には、奄美諸島において9世紀後半より本格的な農耕や鍛冶技術を導入したことによる塩の需要の高まりが想定された。製塩場所の候補地としては奄美大島が挙げられ、徳之島や沖永良部島も一部生産に関わっていた可能性がでてきた。そして喜界島は塩の一大消費地であったと考えられた。


★詳細はこちら

【申し込み方法】6月15日(木)までにお申し込みください。
 対面式:shimaken@cpi.kagoshima-u.ac.jpまたは099-285-7394へ(担当:大塚)
 オンラインZoom: yotsuka@cpi.kagoshima-u.ac.jpへ(担当:大塚) 

国際島嶼教育研究センター