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福岡市法制課を訪問し、政策法務の現状と課題について学びました-法政策論・行政法務論ゼミ

[記事掲載日:18.11.09]

 法文学部の法政策論・行政法務論ゼミでは、ゼミ活動の一環として、地域の行政課題について学び、また、将来のキャリアパスを考える材料とするため、自治体や行政機関などを直接訪問し、組織の現状や課題などについて調査や意見交換を行っています。
 
 今回のゼミ研修では、ゼミ長である上原正己君の企画で、4年ゼミ生4名が11月7日、福岡市総務企画局行政部法制課を訪問しました。目的は、法制課が担当している①市議会との調整に関すること、②条例、規則等の立案、審査に関すること、③法規の解釈及び意見に関すること、④訴訟に関すること、⑤政策法務の推進に関すること、⑥地方分権の推進に関する総合的な企画、調整に関すること、についての業務内容について詳しく伺うとともに、自治体における法務行政の現状や課題を学び、意見交換を行うためです。
 行政法を学ぶゼミ生たちにとって、法務の司令塔ともいえる法務部署についての関心は高く、特に、政令指定都市の中でも高い法務の能力を有し、大都市法務におけるトップリーダーである福岡市法制課を訪問することは、大変貴重な機会となりました。
 研修当日は、福岡市法制課法制係の三坂係長と同係の公文さんにご対応いただきました。ゼミ生が予め作成した調査書に対し、ひとつひとつ丁寧にご回答いただきました。その後、「福岡のまちと共生する屋台」を目指し、屋台営業の基本的ルールを定めた福岡市屋台基本条例を制定する際のご苦労話なども伺うことができました。
 今回のゼミ研修に参加した4年ゼミ生は、既に来年度から公務員として勤務するのですが、その中には、将来、法務部署で活躍したいという希望を持っているゼミ生もいます。このため、1時間の訪問予定は2時間を超えるものとなり、その間、多くの質問や意見交換がなされました。
 行政は、法に基づいて事務を執行しなければなりませんが、福岡市法制課は、その中核を担っています。法制課の職員には、常に新たな法政策や判例、そして法理論についての知識を習得することが求められていることがわかりました。また、簡易な訴訟事件は、弁護士に依頼せず、職員が指定代理人となって、法廷に立ち、事件対応に当っているということで、業務内容の広さに驚きました。さらには、法に適合しない事務の執行に関しては、たとえ局長や部長であっても厳しい意見を上申しなければならないというタフな精神的力が求められる仕事であることもわかりました。そして何より、福岡市行政全般を法的視点からリードし、サポートする仕事は、大変やり甲斐のある業務であると感じました。
 法政策論・行政法務論ゼミでは、今年度、地元自治体である鹿児島県や鹿児島市はもとより、2名のゼミ生が国家総合職(法律職)に最終合格するなどの結果を残しています。これは、ゼミ研修を通じて、早くから将来に対する目標を定めることができているからです。こうした目標を定めるうえで、自治体や行政機関を直接訪問し、現実の行政現場を知るゼミ研修は大いに役立っています。
 ゼミ研修終了後、ゼミ担当教員と旧知の仲である吉村隆一環境局長(元福岡市法制課長)を表敬訪問し、福岡市の環境行政や福岡市の都市戦略についても伺うことができました。また、吉村局長から来年度から公務員となるゼミ生全員に対し、公務員としての心構えについてのご講話をいただきました。ゼミ生たちにとっては、大変有意義な1日となりました。
(写真上:4年ゼミ生と福岡市法制課の三坂係長、公文さん)
(写真中:同上)
(写真下:吉村隆一福岡市環境局長と4年ゼミ生)

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