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法文学部の学生が、防災対策に関し、鹿児島市へ政策提言を行いました

[記事掲載日:19.03.19]

 3月15日、鹿児島市役所において、法文学部の学生2名が、防災対策に関し、政策提言を行いました。
 この提言は、法文学部アドバンスト科目「まちづくり論」を受講した学生のうち、特に優れた提言者であるとして、鹿児島市からの招待を受けて行われたものです。
 プレゼンテーション終了後には、危機管理課や地域福祉課など政策提言に関連する部署の職員の方々との学生との意見交換も行われました。また、当日は、高津法文学部長、藤内副学部長、北﨑副学部長、「まちづくり論」担当の宇那木教授など大学関係者の参観や報道機関による学生への取材もありました。
【発表者】
1.高山 あゆみさん(法文学部法政策学科3年)
「避難所所在地の明確化及び情報弱者への災害情報等の周知」
2.寺田 陽菜さん(法文学部人文学科2年)
「鹿児島市の防災対策への提言-防災街灯、避難情報の提供、防災教育を中心に」
【高山 あゆみさん】
 高山 あゆみさんは、効果的避難を促進するために、避難所の外壁を塗装して目立つようにすることが必要で、その際には、ユニバーサルデザインを採用すべきであるとしました。特に、避難形態の多様性を考慮し、塗装に関しては蛍光色を含む2色以上の配色とすべきであるとしました。あわせて、災害弱者である幼児や外国人にも配慮したピクトグラムの利用も提言しました。
 また、多数の住民が災害避難情報に対して簡単にアクセスできるように、LINEなどの閉鎖系SNSではなく、Twitter、Instagram、Facebookなどの開放系SNSの利用促進を提言しました。
 さらに、インターネットを利用しない高齢者向けには、災害ダイヤルの設置や固定電話の活用も必要であるとしました。
 最後に、高山さんは、普段からわかりやすい情報周知をすること(受動的情報提供)および災害時に住民が自分で調べられるようにすること(能動的情報提供)を両輪の輪としてバランス良くなされることが必要であると結論づけました。
【寺田 陽菜さん】
 次に、寺田 陽菜さんは、自身が熊本地震を経験し、夜間における情報提供の重要性を肌で感じたことから、市内各所にテレビやラジオなどを備えた防災街灯の設置の必要性を訴えました。
 また、事前に自身の避難場所や災害時にすべき事柄、連絡したい相手などを予め登録しておき、災害時には、周辺の避難所等の公的情報とともに送られてくる「スマホの中のマイ避難情報」システムの導入も提案しました。
 最後に、小学校、中学校、高校、大学などの学生時代はもとより、社会人となっても、地域、会社においても防災マップ作りをするなど継続的防災教育が必要であるとしました。この際、住民が自主的に防災を学ぶことができるインフラとして防災図書館の設置も提案しました。
 プレゼンテーション終了後、鹿児島市の職員の方々から、提言の内容について、専門的な見地からの質疑応答がなされましたが、学生たちは、質問に臆することなく、自身のアイデアを丁寧に説明しました。
 最後に、高山さん、寺田さんの提言に対し、鹿児島市の職員の方々から、「実現可能性も考慮し、具体的かつ新たな視点からの提案がされており、政策立案のヒントとしたい。大変参考になった」といったコメントをいただきました。
 今回の提言が、将来、鹿児島市の災害対応にどのような形で活かされるか注目されます。

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提言を行う高山さん

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提言を行う寺田さん

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提言を熱心に聞く市の幹部職員の方々

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高津学部長らと学生たち