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【農林水産学研究科】大学院生が日本藻類学会第50回大会にて学生発表賞を受賞

[記事掲載日:26.04.21]

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 3月21日、大学院農林水産学研究科環境フィールド科学専攻2年(当時)の膳場 智幸さんが、日本藻類学会第50回大会において、学生発表賞(口頭発表大型藻の部)を受賞しました。

 膳場さんは、「鹿児島県本土沿岸におけるヒジキ群落衰退のパターン」と題した研究を発表しました。ヒジキは私たちの食卓にもなじみ深い、主要な食用海藻ですが、沖縄島に数か所ある群落を除くと、鹿児島県が日本本土における分布の南限に位置します。本研究では、ヒジキ群落の保全に向けた基礎的な知見の蓄積を目的としています。

 2025年初夏、膳場さんは鹿児島県のヒジキの分布状況を調査し、残存・衰退のパターンを明らかにしました。その結果、鹿児島湾奥部や八代海などの半閉鎖的な海域では、ヒジキが高い密度で繁茂する安定した群落が確認されました。一方、太平洋や東シナ海の外洋に面した開放的な海域や鹿児島湾湾口部付近では、過去に採集記録のある地点を含め、ヒジキ群落の大幅な減少や消失が確認されました。さらに、群落の被度や体長のデータ、生育地の地形的な特徴を分析することで、群落の衰退が進む過程についても明らかにしました。

 近年、日本沿岸では「海の森」とも呼ばれる海藻・海草の「藻場」が各地で衰退・消失しており、沿岸生態系における生物多様性の維持や水産資源の持続的な利用の観点から、大きな課題となっています。膳場さんの研究は、ヒジキの衰退要因や消失の過程を明らかにした点で、この問題に向き合う貴重な知見となりました。



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 膳場さんはこの他、九州南部の藻場の衰退状況や長期的な変化パターンについても研究に取り組んでおり、本年2月には藻類学の国際誌「Journal of Applied Phycology」(シュプリンガー・ネイチャー社、インパクトファクター3.0)に筆頭著者として原著論文(DOI: 10.1007/s10811-025-03780-x)を発表しています。