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男女共同参画セミナー「生きる、多様な性のあり方」を開催

[記事掲載日:15.02.20]

 2月13日、男女共同参画推進センターは鹿児島県と共催して、男女共同参画セミナーを農・獣医共通棟において開催しました。
 男女共同参画推進センター広報・啓発推進部会長の藏脇淳一教授の進行により、男女共同参画室長の島秀典理事(総務担当)からのあいさつの後、医学部保健学科の下敷領須美子准教授が、学内外から参加した94人に対し、「生きる、多様な性のあり方」として講演し、終わりには、鹿児島県総務部県民生活局男女共同参画室の奥一彦室長からのあいさつもありました。
 下敷領准教授は、「性は単純な「男女」の二分ではなくグラデーションである」と、「身体の性」「こころの性」「社会的な性」「性指向」の4つの側面から、多様な性について説明しました。人は、ジェンダー(社会的に作られた女らしさ男らしさ)に縛られることで、生き辛さを感じたり、性差別が起こったりするものであるとして、男女共同参画の視点で性を捉え正しい知識を得、理解していくことの重要性を話しました。
 LGBT等の性的少数者の中から、性同一性障害(GID)についての説明では、戸籍変更に係る要件により、自殺や自傷、不登校等に追い込まれるケースがあるとした上で、「当事者の声に耳を傾けることが必要である。一人ひとりが自分の性と向き合い、誰もが同じ性のグラデーションの中にあることを理解できれば、家庭や学校等での支援が変わってくる」と話し、理解のための研修会、制服の自由な選択、多目的トイレの設置、相談環境の整備などを具体的な支援策として紹介しました。
 当日は、講師が支援・交流しているGIDやレズビアン、Rainbowパレード参加者など当事者がゲストスピーカーとして登場し、リアルな体験談や今後の活動等について話しました。レズビアン当事者からは、同性愛者は「身体の性」と「性自認」は同一であり、性同一性障害ではないとのコメントもあり、性の多様なとらえ方が必要であることが理解できる機会となりました。
 近隣自治体等男女共同参画担当者やスクールカウンセラー、県内高等機関等からの参加者からは、「男女共同参画の根本ともなる個の尊重につながるセミナーだった」「今後の取組に活かしたい」などの声が多く聞かれました。他には「当事者の声を聞くことで、性の多様性があること、性のあり方を個性として受け止める機会となった」などが多く聞かれ、参加者一人ひとりが多様な性について正しく理解する機会となりました。
 
(写真上:挨拶する島理事)
(写真下:下敷領准教授の講演に聞き入る参加者)

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