トップページトピックスアルマ望遠鏡の観測データ解析から見えてきた、ガス円盤に刻まれた惑星形成の確かな証拠

アルマ望遠鏡の観測データ解析から見えてきた、ガス円盤に刻まれた惑星形成の確かな証拠

[記事掲載日:16.05.26]

 
 鹿児島大学理工学域(理学系)の高桑繁久教授は、台湾中央研究院天文及天文物理研究所の顔士韋博士らの研究グループとの共同研究により、若い星おうし座HL星の周囲のガス円盤に木星質量程度の惑星が形成されている確かな証拠を発見したと、5月25日発表しました。南米チリにあるアルマ望遠鏡によるおうし座HL星の観測データを解析することにより、ガス円盤中に、惑星の軌道に沿ったガスの溝を見出したのです。これまでの研究からおうし座HL星周囲の円盤に塵の溝が存在することはわかっていましたが、塵との質量比で100倍も存在するガスでも溝が見られたのは今回の研究が初めてであり、惑星形成の強い証拠が得られたことになります。
 高桑繁久教授から、「年齢で100万年程度の若い星であるおうし座HL星で既に惑星形成の兆候が見られるということは、1000万年以上の長い時間で惑星が形成されてくると考えられてきた惑星形成のこれまでの理論に大きな変更を迫ることになる。」などの説明がありました。
 この成果は、4月1日にアメリカ合衆国「Institute of Physics (IOP) publishing 物理学研究所出版」から発行される学術論文誌「Astrophysical Journal アストロフィジカルジャーナル」に掲載されています。
 
 
(写真上:記者会見を行う、(左から)半田教授、與倉副研究科長、高桑教授) 
(写真下:今回発見された円盤の溝の観測の図(破線で示してある))
 
 プレスリリース 2016年5月25日  国立天文台ホームページへリンク 

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