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「香り」が痛みを軽減する脳の仕組みを発見~嗅覚中枢と視床下部オレキシン神経を介したリナロール香気誘発性鎮痛~

[16.11.17]

 大学院医歯学総合研究科統合分子生理学分野の柏谷英樹講師、桑木共之教授らの研究グループは、同研究科侵襲制御学分野 田代章悟助教、上村裕一教授、農学部食料生命科学科食品機能化学コース 加治屋勝子講師、金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 分子神経科学/統合生理学 櫻井武教授らとの共同研究により、「香り」による鎮痛作用及びその基盤となる脳神経回路を発見しました。
 

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 古来より、香気の中には鎮痛作用を示すものがあると考えられていました。実際いくつかの香気分子は身体組織に作用し、鎮痛・抗炎症効果を持つことが明らかになっています。 しかしながら香気分子が脳を介した嗅感覚として(香りとして)鎮痛作用をもたらすのか?どのような脳の仕組みでその作用は現れるのか?は長らく不明でした。
 
 本研究では鎮痛効果を持つ香気分子を探索し、ラベンダー香気などに含まれるリナロールという香気分子が鎮痛効果を持つことを発見しました。この効果は嗅覚を遮断してしまうと消失することから、「香り」により鎮痛効果が現れることが明らかになりました。さらに視床下部にある特殊な神経細胞(オレキシン神経)が香気誘発性鎮痛には必須であることが明らかになりました。
 今回の発見により香気誘発性鎮痛の臨床応用に弾みがつくことが期待されます。
 
※本研究の成果は、英国オンライン科学雑誌「Scientific Reports」(11月15日付)に掲載されました。
 
 
Shogo Tashiro, Ran Yamaguchi, Sodemi Ishikawa, Takeshi Sakurai, Katsuko Kajiya, Yuichi Kanmura, Tomoyuki Kuwaki, Hideki Kashiwadani, Odour-induced analgesia mediated by hypothalamic orexin neurons in mice, Scientific Reports (2016), 6:37129 
http://www.nature.com/articles/srep37129