トップページトピックス鹿児島県からハゼ科魚類の2新種を発見~アマミコイソハゼとホデリイソハゼと命名~

鹿児島県からハゼ科魚類の2新種を発見~アマミコイソハゼとホデリイソハゼと命名~

[記事掲載日:19.10.16]

 鹿児島大学総合研究博物館が行っている鹿児島県の魚類相調査の過程で、ハゼ科魚類の2新種が発見されました。総合研究博物館で研究を行っている鹿児島大学大学院連合農学研究科の藤原恭司さんの調査により、これら2種はアマミコイソハゼEviota amamikoとホデリイソハゼEviota perspicullaと命名されました。
 アマミコイソハゼは、屋久島、加計呂麻島、西表島から採集された3標本に基づき記載されました。体長1 cmほどの小型種で、黄色味がかった体色に逆Y字模様があるのが特徴です。標準和名アマミコは琉球列島の神話に登場するアマミキヨという神の奄美群島での呼び名「アマミコ」に由来します。学名のamamikoもそれが由来です。
 ホデリイソハゼは、甑島、南さつま市、南九州市、種子島、奄美大島、加計呂麻島から採集された22標本に基づき記載されました。体長2 cmほどの小型種で、第1背鰭が伸長しないことや同背鰭の基底部に2つの白色斑があることが特徴です。標準和名ホデリは日本神話の古事記に登場する神ホデリノミコト(火照命)に由来します。海の幸を獲って暮らしていたため、別名海幸彦とも呼ばれます。ホデリノミコトは古代の薩摩・大隅地域の住民として位置づけられた隼人の祖先としても神話に描かれています。学名のperspicullaは眼鏡(メガネ)の意で、第1背鰭基部の2つの白色斑が眼鏡を連想させることに由来します。
 この報告は2019年10月12日付で日本魚類学会が刊行する国際誌Ichthyological Research(イクティオロジカル リサーチ)電子版に掲載されました。
 
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(写真 アマミコイソハゼ:鈴木寿之氏提供)
 
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(写真 ホデリイソハゼ:鹿児島大学総合研究博物館提供)