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【研究成果:総合研究博物館】海のパンダ!?日本とフィリピンに生息するチョウチョウウオ科魚類の新種を発見、パンダゲンロクダイと命名

[記事掲載日:20.02.17]

海のパンダ!?総合研究博物館の研究チームが日本とフィリピンに生息するチョウチョウウオ科魚類の新種を発見、パンダゲンロクダイと命名
 
 この度、本学総合研究博物館の研究チームにより、下記のとおり研究成果が発表されましたのでご案内します。
 
 鹿児島大学総合研究博物館の研究チームはゲンロクダイ属魚類の日本とフィリピンに生息する新種を発見しました。本新種は熱帯から亜熱帯海域のサンゴ礁や岩礁に生息し、観賞魚としても人気が高いチョウチョウウオの仲間です。
 本新種は体長10 cm弱の小型種で、吻が短いことや白地の体に黒色の横帯があるのが特徴です。水深40~160 mの海底付近に多くの場合ペアで生息しています。日本からは伊豆半島、鹿児島湾、東シナ海、フィリピン・パナイ島から記録されました。
 本新種は日本魚類学会が発行する英文誌Ichthyological Research(イクチオロジカル・リサーチ)電子版で2020年2月13日に出版され、白黒の模様に因み、新標準和名としてパンダゲンロクダイと命名されました。また、学名は鹿児島大学総合研究博物館ボランティアの原口百合子氏に献名し、Roa haraguchiae(ロア・ハラグチエ)と命名されました(女性人名のラテン語化により語尾にaeがつく)。鹿児島大学総合研究博物館はアジアでも最も充実した所蔵標本の質と量を誇り、インド・太平洋における魚類分類学の分野では国際的な研究拠点となっています。原口氏はこの世界有数の魚類コレクション構築に15年間にわたって協力して下さいました。
 パンダゲンロクダイは日本から7個体が採集されていますが、すべて鹿児島大学総合研究博物館に学術標本として所蔵されています。まだ生態的な知見は乏しいですが、鹿児島湾では桜島沖の水深40~70 mに生息することが確認されています。
 
Uejo, T., H. Senou and H. Motomura. 2020. Roa haraguchiae, a new species of butterflyfish (Teleostei: Perciformes: Chaetodontidae) from Japan and the Philippines. Ichthyological Research, doi: 10.1007/s10228-020-00735-9
 
【関連ページ】
  総合研究博物館 本村浩之教授 ホームページ
 
 
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(写真:パンダゲンロクダイRoa hagaguchiae 鹿児島湾 出羽慎一氏撮影)