トップページトピックス【近現代セ】センター設立1周年記念シンポジウム「五代友厚と〈鹿児島の近現代〉」を開催

【近現代セ】センター設立1周年記念シンポジウム「五代友厚と〈鹿児島の近現代〉」を開催

[記事掲載日:23.11.17]

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 法文学部附属「鹿児島の近現代」教育研究センターは、10月29日、かごしま県民交流センター大ホールにて(YouTubeによるオンライン同時配信も実施)、藩校造士館創立250周年・鹿児島大学法文学部附属「鹿児島の近現代」教育研究センター設立1周年記念シンポジウム「五代友厚と〈鹿児島の近現代〉」を開催しました。当日は、県内外から200名近くの多くの方々の参加がありました。

 第Ⅰ部「基調講演」では、八木 孝昌 氏(一般社団法人日本コミュニティカレッジ講師)と井上 潤 氏(公益財団法人渋沢栄一記念財団渋沢史料館顧問)による講演があり、八木氏からは、「五代の「弘成館」鉱山業―半田銀山をめぐって」というタイトルで五代友厚が手掛けた鉱山業のうち半田銀山(福島県伊達郡桑折町)をめぐる取組みについて紹介がありました。また、井上氏からは「近代日本社会の創造者渋沢栄一の思想と行動~五代友厚との関係に触れながら~」というタイトルで、五代と同時代を生きた実業家である渋沢栄一の思想と行動について、途中渋沢の五代評にも触れながら講演いただきました。両氏の講演から、五代の実業家としての個性が浮き彫りになり、「近代」の日本における五代の歴史的位置を鮮明にすることができました。
 また、第Ⅱ部のトークセッション「五代友厚と〈鹿児島の近現代〉」では、メディアにおける「五代友厚」像の形成や、五代と鹿児島との関係をめぐる〈記憶〉の継承のあり方をテーマとして、鉱山経営や西南戦争との関わり、島津家に対する意識などをキーワードとして議論を行いました。第Ⅰ部講演者に加え、田中 光敏 氏(映画監督)、寺尾 美保 氏(立教大学特任准教授)、下豊 留佳奈 氏(郷土史家)のゲストが登壇し、田中氏からは映画「天外者」制作にあたって留意された点など、制作時のエピソード紹介がありました。寺尾氏からは、明治期の島津家を研究される立場から、下豊留氏からは郷土史家としてひろく鹿児島の歴史研究に携わる立場から、鹿児島の近現代史に五代を位置付けていく際に必要となる視座について提言がありました。

 本シンポジウムを通じて、「近代」の日本における五代友厚の歴史的位置をより詳らかにすると同時に、今後五代友厚を研究していく際にポイントとなる認識について国内外の多くの方々と共有し、五代友厚研究の新しい地平を切り開くことが出来ました。


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( 佐野 輝 学長挨拶 )




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( トークセッションの様子 )




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( 会場の様子 )