トップページトピックス【博物館・農林水産学研究科】日本に生息するアカエイ科のヤッコエイを新種記載

【博物館・農林水産学研究科】日本に生息するアカエイ科のヤッコエイを新種記載

[記事掲載日:24.08.06]

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 鹿児島大学総合研究博物館と農林水産学研究科の研究チームは、日本の沿岸や島嶼域に生息するアカエイ科のヤッコエイをNeotrygon yakkoei(ネオトリゴン ヤッコエイ)として新種記載しました。種小名「yakkoei」は本種の標準和名から由来します。本研究の成果は、日本魚類学会が発行する英文誌「Ichthyological Research」(イクチオロジカル リサーチ)に2024年8月1日付けで掲載されました。
 ヤッコエイは体盤上に青色斑をもつことや尾部後半部に白黒の横縞模様をもつことが特徴のアカエイ科魚類です。本種の学名はこれまで、Neotrygon kuhliiNeotrygon orientalisとされてきましたが、それらの種とは遺伝学的・形態学的に異なることが明らかとなり、別種であることが判明しました。また、日本をタイプ産地とするヤッコエイ属魚類はこれまで知られていないため、本種が未記載種であることを明らかにしました。なお、真のN. kuhliiN. orientalisは日本に生息しないことも分かりました。
 ヤッコエイを含むエイ類の多くは、漁獲圧による影響や再生産に時間を要することからIUCNのRed Listに掲載されており、資源量の低下や絶滅が危惧されています。本研究により資源量の統計の精度向上が向上し、確かな資源量評価とそれに伴う保全活動につながると考えています。
 本研究で使用したヤッコエイ61標本は,鹿児島大学総合研究博物館を含む国内の6研究機関に所蔵されています。


【掲載論文】 Neotrygon yakkoei, a new bluespotted maskray (Dasyatidae)from Japan
【著者名】 Eishiro Hata and Hiroyuki Motomura
【掲載誌】 Ichthyological Research
【DOI】 https://doi.org/10.1007/s10228-024-00989-7
【URL】 https://rdcu.be/dPJCb

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(Neotrygon yakkoeiのホロタイプ)