【博物館】マダガスカルの熱帯乾燥林におけるトカゲ3種の果実食の実態を解明
[記事掲載日:25.06.11]
総合研究博物館の田金 秀一郎准教授は、京都⼤学大学院理学研究科、農学研究科との共同研究において、マダガスカル北西部の熱帯乾燥林でカメレオンを含む3種のトカゲが、色も形もさまざまな20種類以上の植物の果実を食べていることを明らかにしました。またその一部で発芽実験を行い、糞として出てきた種子に発芽能力があることも示しました。トカゲはマダガスカルの森林で果実を食べ、種子を散布することで森林更新に貢献している可能性があります。
果実を食べる動物は、植物の種子を様々な場所へ運んだり、発芽を助けたりすることで森林の更新に貢献しています。果実を食べる動物といえば鳥類や哺乳類をイメージしがちですが、トカゲなどの爬虫類にも果実を食べる種類がいます。しかしこれまで、トカゲによる果実食や種子散布は他の動物と比べ重要でないと思われており、トカゲがどの程度果実を食べ、種子散布に貢献しているのかの詳細はほとんどわかっていませんでした。
研究チームでは、今後もさまざまな側面から、種子散布者として見過ごされてきたトカゲたちを正しく評価することを目指していくこととしています。
【論文タイトル】
Frugivory by Three Species of Lizards in Madagascar: Implication for Their Ecological Roles as Seed Dispersers
(マダガスカルにおける3種のトカゲの果実食:種子散布者としての生態的役割の示唆)
【著者】
Ryobu Fukuyama, Wataru Noyori, Shuichiro Tagane, Shouta Iyoda, Hiroki Sato
【掲載誌】
Bitropica 57, e70052
【DOI】
10.1111/btp.70052
研究の詳細につきましては、プレスリリースにてご覧いただけます。