トップページトピックス【農学部】世界初のホタルガの化石を報告(新種)!

【農学部】世界初のホタルガの化石を報告(新種)!

[記事掲載日:25.06.19]

  • topics-SDGs-15(陸の豊かさも守ろう)
  • topics-SDGs-17(パートナーシップで目標を達成しよう)

 農学部の坂巻 祥孝教授、慶應義塾幼稚舎の高橋 唯教諭と慶應義塾の相場 博明名誉教諭らの研究チームは、秋田県湯沢市の約350万年前の湖成層から産出した蛾の翅の化石を、世界で初めてのマダラガ科ホタルガ亜科(※1)の化石として報告しました。
 鱗翅目は昆虫の中でも特に化石に残りづらく、その1グループであるホタルガ亜科の化石は世界的にこれまで発見されたことがありませんでした。

 研究チームは「ジオスタ☆ゆざわ」(秋田県湯沢市)に保管されていた化石を詳細に検討したところ、翅脈や翅に残された模様などの特徴からAgalope (ウスバホタルガ)属(※2)の蛾であることを突き止めました。そして、発見者であり地元で精力的に研究をされていた押切 伸氏にちなんでAgalope oshikirii(オシキリウスバホタルガ)と名付けました。

 この研究の成果は、2025年5月9日に、国際的な古生物学の学会であるThe Paleontological Societyの学術誌Journal of Paleontologyのオンライン版にFirst Viewで掲載されました。

★研究成果の詳細はこちらよりご覧いただけます。

20250619kaseki001.jpg① Agalope oshikirii(オシキリウスバホタルガ)の化石

20250619kaseki002.jpg②③ Agalope oshikirii(オシキリウスバホタルガ)の点描画と復元画


<原論文情報>

【原論題名】 Agalope oshikirii n. sp., the first chalcosiine fossil (Lepidoptera, Zygaenidae) from Akita Prefecture, Japan
【著者名】高橋 唯、相場 博明、坂巻 祥孝
【掲載誌】Journal of Paleontology
【DOI】 https://doi.org/10.1017/jpa.2024.87

※1 昼間に活動する蛾の仲間で、小型から大型まで様々で美しいものが多い蛾のグループ。およそ400種が東アジアからミクロネシアやメラネシアの島々に生息している。

※2 中型のホタルガ亜科の1グループであり、ヒマラヤ山脈の丘陵地帯や、中国、ベトナム、台湾などに15種が分布している。