トップページトピックス第47回鹿大防災セミナーを開催

第47回鹿大防災セミナーを開催

[記事掲載日:25.07.25]

  • topics-SDGs-11(住み続けられるまちづくりを)

20250725bousai01.jpg



 地域防災教育研究センターでは、7月11日、第47回鹿大防災セミナー「地域防災の取組と実践」を開催しました。会場とオンラインのハイブリッド形式で380名近くが参加し、同センターの寺本 行芳調査研究部門長(農水産獣医学域農学系 教授)の司会のもと、二つの講演が行われました。


 最初に、酒匂 一成地域防災教育研究センター長(理工学域工学系 教授)が「地域防災教育研究センターの取組と趣旨説明」と題して講演を行いました。酒匂センター長は、現在進行中のプロジェクト(2022~2027年度)における「大規模火山噴火に伴う複合災害の発生メカニズム解明と影響評価」への取組や、「総合防災データベースの構築とその利活用」により防災研修教材等をセンターホームページで公開していることを紹介しました。また、防災士資格取得につながる「いのちと地域を守る防災学Ⅰ・Ⅱ」の開講や、研究成果の地域社会への実装を目的としたセミナー・シンポジウム開催について説明しました。

 次に、鹿児島市危機管理局危機管理課の井口 正人火山防災専門官(京都大学名誉教授)より「桜島大規模噴火に対する地域防災計画実践における課題の克服に向けて」と題して講演いただきました。本年4月に鹿児島市が設置した「桜島火山防災研究所」の所長も兼務する井口専門官は、桜島が大規模噴火を考えざるを得ない時期に来ていることをデータに基づき解説されました。噴火警戒レベル5発表時の全員島外避難や、市街地での大量軽石・火山灰降下による土石流、地盤沈下等への対応について説明し、広域避難の仕組みが市民に十分周知されていないことが最大の課題と指摘されました。また、約1億㎥と想定される軽石・火山灰の除去問題や災害廃棄物仮置き場の不足、都市域での土石流発生リスクなどの課題を挙げ、桜島火山防災研究所では避難から復旧・復興まで段階的に研究を進める長期研究計画を策定していると述べられました。


 同センターでは、今後も継続したセミナーの開催を予定しており、地域防災力の向上に貢献していくこととしています。



20250725bousai02.jpg