【水産学部】二枚貝類に共生する新種の甲殻類を発見~⼆枚⾙共⽣性のマルハサミヨコエビ属は⽇本初~
[記事掲載日:25.10.20]
新種記載を⾏ったユキミノノマルハサミヨコエビLeucothoe limidicola
(撮影者:横須賀市⾃然・⼈⽂博物館 中島 広喜 学芸員)
水産学部の小玉 将史 助教、京都大学、横須賀市自然・人文博物館による研究グループは、三重県菅島の海底において、⼆枚⾙類に共⽣するマルハサミヨコエビ属ヨコエビ類の不明種を発⾒しました。形態およびDNA配列を⽐較した結果、本種は未記載種だと判明し、宿主の⼆枚⾙類であるLimaria hirasei(和名:ウスユキミノ)にちなみ、Leucothoe limidicola(和名:ユキミノノマルハサミヨコエビ)として新種記載しました。
マルハサミヨコエビ属は、世界で159 種が知られており、そのうち多くの種がホヤ類やカイメン類に共⽣します。⼀⽅で、⼆枚⾙類に共⽣する種は稀であり、本報告は世界で6種⽬、⽇本国内で初めての⼆枚⾙共⽣性の種の報告となりました。本種の発⾒はこれまで⾒過ごされてきた、マルハサミヨコエビ属における宿主の多様性を把握するうえで重要な知⾒となり、⾮常に⽰唆深いものです。
小玉助教は、「今回、⾮常に興味深い種を記載することができた。本研究は、⾝近な沿岸域にも未発⾒の多様性がまだ多く残されていることを⽰している。地域の⽣物相や⽣物多様性を正しく把握していくことは、今後の様々な研究の重要な基盤になるため、今後も研究を進め、未知の多様性を明らかにしていきたい。」とコメントしました。
本研究成果は、2025年9⽉26⽇に、国際学術誌「Zootaxa」にオンライン掲載されました。
研究の詳細は、こちらよりご覧ください。