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【イノベーションC・理工研】ナイロン製の詰め替えパウチ回収プロジェクトを開始

[記事掲載日:26.06.08]

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 令和8年5月より、南九州・南西諸島域イノベーションセンターはナイロン製の詰め替えパウチ回収プロジェクト「R2P2(Refill Pouch Pack Recycling)」を開始しました。同プロジェクトは、理工学研究科の加藤  太一郎 教授が進めるナイロンのケミカルリサイクル技術の社会実装を目指した取り組みです。研究に必要な材料である「詰め替え用パウチ」の回収を呼びかけており、学内全6箇所に回収ボックスを設置しました。


回収対象

  • 使用後の詰め替え用パウチ(洗剤類・トイレタリー製品など)
  • 食品包装(お米など)

上記のうち、【ナイロン(PA)】表記があるもの

※中は軽く水洗いしてください
※キャップやチャック部分は切り取り可
※ひどく汚れたままのものは入れないでください



リサイクル技術について

 近年、ゴミの分別をはじめとするリサイクルへの意識は広く浸透されつつあります。しかし、プラスチック製品のリサイクルは環境面・技術面の双方に大きな課題を残しています。例えば、現時点で1番利用されているプラスチックのリサイクル方法として、ゴミを焼却処分する過程で発生する熱エネルギーを再利用する「サーマルリサイクル」があります。このリサイクルでは焼却の過程で発生する二酸化炭素が大気中に溜まり、大雨や洪水の激甚化などの気候変動問題を引き起こしてしまいます。また、高分子の状態で熱をかけ、変形させた状態で冷却・成形することでプラスチックを再利用する「マテリアルリサイクル」という方法もあります。この方法では自然環境への負荷が少ない一方で、強度が落ちたり、着色されたままの製品が混ざることで、再生品の色が灰色になってしまうというデメリットを抱えています。

 その現状を克服する可能性を秘めているのが、究極のリサイクル技術と呼ばれる「ケミカルリサイクル」です。プラスチックは石油から精製されるナフサを原料とし、モノマーという最小単位が重合して高分子ポリマーとなった後、成形加工を経ることで製品になります。ケミカルリサイクルは、製品が不要となった後に高分子ポリマーの繋がりを切り離し、最小単位のモノマーに戻すとことで、また新たな製品を製造する土台に復元することができます。焼却処分して二酸化炭素を排出せずに済むだけでなく、新たなナフサを必要とせずに製品として循環できる点が特徴です。 
 ただし、様々な種類のプラスチックを混ぜて作られた製品をケミカルリサイクルするには、まずプラスチックを種類ごとに分ける必要があり、実現するには大きなハードルがあります。

 このような背景の中、加藤教授は、多層構造のプラスチックを種類ごとに分ける技術や、ナイロンを最小単位のモノマーまで分解できる酵素タンパク質の活用方法を発見し、プラスチックの中でも特に強い分子結合を持つ「ナイロン(ポリアミド)」のケミカルリサイクルに成功しました。これらの技術や酵素は、世界で唯一鹿児島大学が所持しています。



R2P2プロジェクトについて

 現在加藤教授は、より分解力が高く、耐熱性を持った酵素タンパク質に改良するための遺伝子組み換え技術や、酵素タンパク質の最適化を測る実験を行い、社会実装に向けて実験の規模を拡大しています。そのため、研究材料であるナイロンを使用した詰め替え用パウチが大量に必要となり、始動したのが「R2P2」プロジェクトです。同プロジェクトでは、10kgを目標に詰め替え用パウチを集めています。

 また、同プロジェクトは、J-PEAKS(地域中核・特色ある研究大学強化促進事業)の取組みの一環として実施します。学生や教職員の日常生活における行動変容を調査する実証実験も兼ねています。

 ナイロン(ポリアミド)を使用したパウチであること、すすぎ洗いをしたものであることなどの注意事項をご参照の上、研究の発展およびよりよい社会の実現のため、是非回収にご協力ください。

 
20260608R2P202.jpg回収ボックスの設置場所


※桜ヶ丘キャンパス・下荒田キャンパスの方は学内便での送付も可能です。
 【学内便送付先】社会連携課 J-PEAKS担当宛 に、水漏れがないようお送りください。

プロジェクトの詳細はこちら
加藤教授の研究の詳細についてはこちら


(取材:広報サポーター 小園 亜依 / 馬渡 海月 )