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第172回 国際島嶼教育研究センター特別研究会のご案内

[16.09.21]

 国際島嶼教育研究センター研究会を下記のとおり開催いたします。皆様方、多数のご参加を心よりお待ち申し上げます。
 
 日 時:平成28年9月26日(月)午後4時半~
 会 場:総合教育研究棟5階 国際島嶼教育研究センター会議室
 講 師:飯田 卓(国立民族学博物館)
 演 題:離島地域の漁業発展―マダガスカル島南西部の事例をふまえて―
 
【要旨】
 漁業先進国の日本において、沿岸漁業の技術革新のほとんどは、漁業協同組合と研究者、漁具メーカー三者の連携によっておこなわれている。しかし離島部や島嶼国家では、こうした産業的なイノベーションは期待できないか、あるいは、移植されるまでに時間がかかる。この問題を解決するためには、個々の漁業者の能力の範囲内でイノベーションが達成できればよいのだが、マダガスカル島沿岸部ではそうした事例がたて続けに観察された。
 
 本発表では、その事例を紹介して個人的イノベーションが生ずる条件を特定する。とりあげる事例は、①1998年頃に普及した木製銛銃、②2003年頃に普及した木製イカ疑似針、③導入時期は不明だが2008年頃に目撃されたゴムタイヤ製地曳網、④2008年頃に普及した電灯潜り漁の装備である。いずれの事例も、新奇な近代的素材を旧来の素材や漁撈技術と組みあわせて実用化されたもので、ブリコラージュ(ありあわせの素材を活用した工作)の日常化と着想の公共化がその背景にあるといえる。
 なお、マダガスカル島は世界で4番目に大きな島なので、島嶼国家と呼ぶには語弊があるが、公共交通が発達しておらず漁業部門と製造業部門との結びつきが未熟であるため、今回の発表に関するかぎりは、疑似的な小島嶼的環境にあると表現することができる。
 
※参加無料でどなたでも参加できます。当日参加も可能です。
 
この研究会は、本学当センターと奄美分室をスカイプでつないでおり、奄美分室でも視聴することができます。お気軽にお越しください。
詳細は、国際島嶼教育研究センターHPをご参照ください。こちら
 
 
【お問い合わせ】
鹿児島大学国際島嶼教育研究センター
〒890-8580 鹿児島市郡元1-21-24
電話:099-285-7394 Fax:099-285-6197
E-mail:shimaken@cpi.kagoshima-u.ac.jp