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都市景観政策のトップランナーである金沢市を訪問-法政策論・行政法務論ゼミ

[記事掲載日:18.09.03]

■□都市景観政策のトップランナーである金沢市を訪問し、同市の都市景観政策について学びました□■

 法文学部の法政策論・行政法務論ゼミでは、ゼミ活動の一環として、先進的な政策を立案、実施している自治体を直接訪問し、政策立案の経緯や運用状況、そして課題等について学ぶため、視察調査を実施しています。

 今年度第1回目の視察調査は、児島優香(ゼミ長)さんによる発案及び企画で、 3年生ゼミ生5名が、8月27日、28日の両日、金沢市を訪問しました。目的は、都市景観政策における自治体のトップランナーである金沢市を訪問し、同市の都市景観保護政策の現状と課題について調査することです。

 金沢は、関ヶ原合戦以降、加賀藩の政治、経済、文化の中心として重要な機能を果たし、日本を代表する最大大名の城下町となりました。第二次世界大戦では、幸いにして、空襲を受けず、江戸時代からの貴重な文化財や景観が多くの残された日本有数の文化観光都市です。

 金沢市では、戦後、同市固有の景観を守ろうとする意識が高まり、国の方策を待たず、1968年、日本で初となる伝統的・歴史的な都市景観を守るため、「金沢市伝統環境保存条例」が制定されました。その後、1988年には、伝統的・歴史的な景観だけではなく、新たに形成される美しい都市景観の保護の必要もあるとして、「金沢における伝統的環境の保護および美しい景観の形成に関する条例」が制定されるに至りました。現在では、この条例を基本として、「犀川及び浅野川における美しい川筋景観の保全に関する条例」など多数の景観保全に関する自主条例が、法律と一体となって、現在の金沢市の都市景観を守っています。

 視察日当日は、金沢市都市計画課、景観政策課、そして、これらの課の政策を法的にサポートする文書法制課の職員の方々にご出席いただきました。会議では、まず、金沢市の都市景観保全の歴史や現状、そして課題などについて、ご説明をいただきました。その後、ゼミ生たちが複数回にわたる勉強会を経て作成した50を超える調査事項に対し、長時間にわたり、大変丁寧にご回答いただきました。

 また、金沢市の美しい都市景観を形成する地区として有名な茶屋町や年間200万人もの来館者を誇る金沢21世紀美術館もご案内いただき、金沢市の都市景観政策や文化政策に対する熱意を体感することができました。さらに、金沢市文書法制課の西川課長ご厚意で開催された懇親会で、ゼミ生は、文書法制課の職員の方々との法務談義に花を咲かせました。

 今回、この視察調査を企画・実施したゼミ長の児島優香さんは、都市景観の保全は、規制的側面も少なくないことから、市民の理解と協力の下で、その政策を立案しなければ高い実効性を確保することはできない。金沢市では市民や事業者の景観保全に対する強い意識とプライドを感じた。景観政策の立案、実施において、金沢市の法務部署が政策担当部署との徹底的な議論を通じて、法適合性を確保していることも大変興味深かった。今後のゼミでの研究に生かしたいといった感想を持ち、今回の視察調査に確かな手応えを感じていました。

(写真上 :視察調査受入れの謝辞を述べる児島優香ゼミ長)

(写真中上:質問をするゼミ生の大野朱莉さん)

(写真中 :職員の方々とゼミ生ら)

(写真中下:景観保存地区として有名な茶屋町)

(写真下 :21世紀美術館の前で-ゼミ生ら)

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