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倉敷市美観地区を訪問-法政策論・行政法務論ゼミ

[記事掲載日:18.09.03]

■□倉敷市美観地区を訪問し、同市の歴史的建造物群保存の取組みについて学びました□■

 法文学部の法政策論・行政法務論ゼミでは、ゼミ活動の一環として、先進的な政策を立案、実施している自治体を直接訪問し、政策立案の経緯や運用状況、そして課題等について学ぶため、視察調査を実施しています。

 今年度、第2回目の視察調査は、児島優香(ゼミ長)さんによる発案及び企画で、 3年生ゼミ生5名が、8月29日、倉敷市美観地区を訪問しました。目的は、倉敷市における歴史的建造物群の保存政策に関し、その経緯、現状及び課題について調査することです。

 倉敷市は、岡山県南部に位置する岡山県第2の都市ですが、その歴史は古く、江戸時代は、天領として栄えました。これにより、豪商が誕生し、その商家が、現在の倉敷美観地区の美しい歴史的町並みを形成する主役となっています。これらの建造物は、いわゆる倉敷窓や倉敷格子が特徴的で、白色漆喰仕上げのなまこ壁とのコントラストがとても美しいものとなっています。

 さらに、明治以降、地元出身の経済的実力者により倉敷川河畔に建てられ、戦災を免れた洋風建築のモダンな建物と江戸時代から残る商家、そして倉敷川などの自然環境とが溶け合って独特なムードを作りあげてきました。

 こうした歴史的建造物群を中心とした倉敷独特の景観を守ろうという機運は、全国的にも早くから芽生え、昭和43年に倉敷市伝統美観保存条例、平成2年の「倉敷河畔伝統的建造物群保存地区背景保全条例」など建造物群を保存する自主条例が全国に先駆けて制定されました。

 倉敷市の先駆的取組みにより、今や、倉敷美観地区の歴史的建造物群は、規模、質、保存状態からして、群を抜いた稀有な存在として高い評価が与えられています。

 視察調査は、美観地区の中心部に位置する倉敷公民館において、倉敷市教育委員会文化財保護課の職員の方に出席いただき、実施されました。会議では、まず、倉敷市の歴史的建造物群保存の歴史や現状、そして課題などについて、豊かな映像や貴重な資料を使ってご説明いただきました。その後、ゼミ生が作成した多数の調査事項に対し、大変丁寧にご回答いただきました。

 また、会議のあとは、本年3月に放映されたNHKの番組「ブラタモリ倉敷編」で案内役をご担当された倉敷市文化財保護課の藤原憲芳さんによる「ブラゼミ」を実施していただきました。ゼミ生は、美観地区の主要な歴史的建造物群や美観地区の象徴的建物の一つであるアイビースクエアに案内いただき、貴重なお話を伺うことができました。

 今回、この視察調査を企画・実施したゼミ長の児島優香さんは、歴史的建造物群を主役として、その背景も含めた一体的な景観を歴史的文化財として考え、これを守ろうという発想がすばらしい。高度成長期で開発優先の時代にこのような発想をもった倉敷市民の見識の高さに驚いた。法律の不十分さゆえに、法的紛争が生じ、そのたびに、新たな条例を制定し、紛争の相手方である事業者に対し粘り強く交渉するなどして解決してきたことを伺い感動を覚えた。こうしたご苦労を知ることができたのは、大きな収穫であり、今後のゼミ研究に生かしたいと張り切っていました。

(写真上 :視察調査受入れの謝辞を述べる児島優香ゼミ長)

(写真中上:倉敷公民館での視察調査の様子)

(写真中 :アイビースクエアとゼミ生)

(写真中下:有名な「なまこ壁」とゼミ生)

(写真下 :倉敷市の職員の方々とゼミ生)

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