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【連合農学研究科】大学院生が新種のクモを発見

[記事掲載日:21.11.26]

 

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カクレコケオニグモの幼体

 

 連合農学研究科の鈴木 佑弥さんが、共同研究者の谷川 明男東京大学研究員とともに新種のクモを発見し、Araneus matsuotoi(アラネウス マツモトイ)と命名しました。新標準和名は、深緑色の苔に似た綺麗な色をしていることや、別種のコケオニグモの影に隠れていた存在であったことから、「カクレコケオニグモ」を提唱しました。
 
 同種は、鈴木さんの後輩が長崎県対馬市で採集しましたが、まだ幼体であったことから、新種かどうかが判別できない状態だったとのこと。そこで鈴木さんが譲り受け、成体になるまで飼育し、同種の性別違いと思われる標本を保有していた谷川研究員とともに詳しく調べた結果、この度の成果に至りました。
 近年国内で新種として発見されるのは体長数ミリ程の小さなクモが多い傾向にあり、今回のように20ミリ程の大きく目立ちやすいサイズのクモが発見されることは珍しいことです。
 
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カクレコケオニグモ(雄)
撮影:谷川 明男様 個体提供:松本 吏樹郎様(大阪市立自然史博物館)
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カクレコケオニグモ(雌)
撮影:谷川 明男様 個体提供:松本 吏樹郎様(大阪市立自然史博物館)
 
 
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フィールドワーク中の鈴木さんの様子。
あまり人が探していないような場所を狙い、池や湿地などにも赴きます。
これまでも研究活動の中で新種を発見してきた実績があり、
「既に知られている種をどれだけ把握しているか」が重要なのだそうです。
 
 鈴木さんは「クモの分類の一端を担う者として、日本におけるクモの多様性のポテンシャルを証明できるような発見ができ、とても嬉しく思う。今後は包括的に、クモの種の間の系統関係や、進化誌に迫れるような研究をしていきたい」と喜びと今後の目標を語ってくれました。
 鈴木さんの、今後のさらなる活躍が期待されます。