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【ヒトレトロ研】2023年度JICAナイジェリア国別研修「バイオセキュリティ・バイオセーフティ」を実施

[記事掲載日:23.06.26]

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 ヒトレトロウイルス学共同研究センターは、国際協力機構(JICA)の「公衆衛生上の脅威の検出及び対応強化プロジェクト」の一環として、ナイジェリア疾病予防センター(Nigeria Centre for Disease Control:NCDC)の公衆衛生検査部門(NRL、CPHL)の責任者5名を対象にバイオセキュリティ・バイオセーフティ研修を実施しました。本研修は、2023年6月7日に国立感染症研究所にてスタートし、6月12日から16日まで鹿児島大学において研修を行いました。

 ナイジェリアは、エボラ出血熱やラッサ熱を含め、危険な感染症のアウトブレイクが頻繁に発生しますが、検査機関における設備や、管理・運用体制が十分でないといった様々な脆弱性に直面しています。致死率の高い病原体の検査は、管理が厳重なバイオセーフティレベル(BSL)3や、BSL4の施設が必要ですが、ナイジェリアにはBSL3以上の病原体を安全に扱える施設はありません。このような現状に対し、2019年にJICAとナイジェリア政府との間で「ナイジェリア疾病予防センター診断能力強化計画」の贈与契約が締結されました。NCDCにBSL3施設を設置し、感染症対応、及びアウトブレイクの早期検知、サーべランス機能の体制強化を図るのが主な目的です。

 今回の研修では、バイオセキュリティ・バイオセーフティの講習に加えて、国立感染症研究所のBSL3施設をはじめ、ヒトレトロウイルス学共同研究センターのBSL3実験室、共同獣医学部附属越境性動物疾病制御研究(TAD)センターのABSL3実験室、鹿児島県環境保健センターのBSL3検査室を視察し、その管理・運用方法などを学びました。研修員は、帰国後、バイオセキュリティ・バイオセーフティの適切なルール作りや指導、教育において中心的な役割を担い、NCDCの感染症コントロール能力の向上やマネージメント能力の強化を目指すこととなります。

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郡山千早副学長(国際担当)への表敬訪問の様子



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閉講式の様子