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【共通教育】鹿児島市主催「避難所体験・展示訓練」に学生23名が参加

[記事掲載日:24.01.30]

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 1月13日、鹿児島市が主催する「第54回桜島火山爆発総合防災訓練-避難所運営・展示訓練」に、本学の学生23名が参加し、桜島での防災研究発表等を通じて、防災関係機関関係者、桜島島民、名山小学校児童等と意見交換を行いました。
 この訓練は、住民の火山防災の意識啓発及び防災関係機関等との連携強化を図るために、大正3(1914)年1月12日の桜島大正噴火を踏まえて毎年行われており、今年で54回目となります。鹿児島大学は、平成30(2018)年度に初めて参画し、6年連続で参加および運営支援し続けています。現地調査に基づく桜島防災研究をポスター発表し、他防災関係機関の展示に学び、鹿児島市職員の業務も補助しました。訓練に参加したのは、共通教育科目「防災フィールドワーク(岩船 昌起教授・安部 幸志教授担当)」を受講・聴講する学生23名です。学生は、2023年10月7日の初回授業から桜島防災にかかわる研究テーマを自分たちで決め、住民避難訓練(11月11日)以外にも、桜島を訪れて住民へのアンケートや聞き取りを行ってきました。グループで取りまとめた研究成果(12月23日発表済)を年末年始に再調整して、本訓練に臨みました。

 鹿児島市立名山小学校に8:30前に集合した学生は、ビブスを付け、「鹿児島大学」ののぼりやテーブルクロスを設置し、ポスターを張って、「鹿児島大学」ブースを開設しました。また、訓練開始までの間、20秒、1分、2分の長さの内容を確認し、発表練習をしました。訓練(発表)時間9:00~12:30には、各班(4~5名)でブース内発表担当者2名、鹿児島市の業務補助者1名、他ブース見学者1~2名の役割をローテーションして、訓練全体を体感できるようにしました。発表ブースには、副市長を始めとする市職員、防災関係機関関係者、桜島島民、名山小学校児童等が次々に訪れました。聞き手に応じて内容を変えつつ、1分前後で簡潔に説明するトレーニングが自然と繰り返され、学生のプレゼンテーション能力が格段に高まりました。

 学生による発表は、次の5題です。(詳細はこちら

  1. 桜島3校区住民の「連絡する人」の差異に対応した災害時対応 【Aチーム】 
     山之内 雄大(法文M1年)・小浦 萌華(法文1年)・中原 健志(工3年)・畠 尚史(工1年)・武石 真鈴(医1年)
  2. 桜島高免町における大規模噴火時の高齢者避難の課題 【Bチーム】
     渡邊 和志(法文3年)・山口 輝(工2年)・山本 航大(工1年)・上野 碧依(理1年)・吉満 鏡華(医1年)
  3. 桜島大噴火時の避難バスの利用における課題 【Cチーム】
     正願地 章(理1年)・荒田 太陽(工1年)・松永 澪知(工1年)・𡈽谷 晃輝(工2年)・岩本 禎子(法文3年)
  4. 桜島古里町における島外避難への備えと意識 【Dチーム】
     西沢 菜乃(法文3年)・中村 百花(理1年)・吉田 匠太朗(工2年)・若林 蓮(工1年)
  5. 桜島小池住民のスマートフォン活用実態から災害時情報伝達を考える【Dチーム】
     伊東 ちひろ(医1年)・黒木 彩歌(法文3年)・寺園 海人(工2年)・平島 亮哉(工2年)

 訓練終了時には参加学生全員から振り返りがあり、松永澪知(工学部1年)さんは、「単位が取れるならという不純な動機で受講しましたが、この講義を受けて良かったと心の底から思います。なぜなら、学部1年生では、体験できない貴重な経験をしたからです。特に、野外調査とポスター発表が印象に残りました。野外調査では、質問時に相手に伝わる言葉選びやアンケート調査紙の構成に配慮しました。また、現地では地元の方の優しさを肌で感じることができ、とても有意義な時間を過ごしました」と話しました。また、防災教育が専門で担当責任教員の岩船教授は、「この授業では、フィールドワークやボランティアが求められ、通常の倍の労力を要し"コスパが悪い"ことを、授業の最初に伝えている。それでも、受講した学生たちは、様々な経験を重ね、桜島島民や防災実務者等との顔の見える人間関係ができることによって、より真摯に取り組むようになり、気象庁職員や市危機管理課職員等も注目する研究成果を生み出してくれた。今後も、未来を担う学生をできる限り現場に連れて行く場を設けたい」と話しました。

 本訓練には、桜島住民や鹿児島市職員・消防・警察・海保・自衛隊・救急医療関係者・名山小学校児童等 約900名が参加しました。
(参考)第54回桜島火山爆発総合防災訓練(鹿児島市HP)
  


■活動の様子

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( 「鹿児島大学」ブースを設営し、発表練習を行う )

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( 桜島島民や鹿児島純心大学教員に、発表内容を伝える )

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( 名山小学校児童にも、発表要旨を渡す )

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( 児童向けの言葉にて発表内容を伝える )

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( 児童向けの言葉にて発表内容を伝える )

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( 防災機関関係者(九州電力)と児童に同時に説明する )

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( 防災機関関係者(垂水市)に説明する学生 )

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( 最初に訪れた園児には教員が対応し、「桜島大噴火の時にどうするか」話し合った )

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( 副市長を始めとする市職員等へ各班が前に出て発表 )

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( 各班40秒で簡潔に発表内容を伝える )

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( 発表する学生 )

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( 「フレンズFM762 |カゴシマシティエフエム」の取材を受ける学生 )

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( 閉会式に臨む学生 )

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( 鹿児島大学「展示」ブース前で集合写真。参加学生22名(1名早退)と教員2名
県災害対策課課長 撮影 )