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【理工学】技術部における令和5年度地域連携活動の報告

[記事掲載日:24.04.12]

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 大学院理工学研究科技術部は、平成 23 年度から取り組んでいる地域連携活動について、令和5年度は7件の出前授業「おでかけ実験隊」、2件の地域企業共同出前授業「おでかけ理科教室」、1件の学内イベント「ものづくり体験教室」、および3件の学外イベント出展を実施いたしました。(詳細につきましては、表1~4をご確認ください。)

 この活動は、ミッションの再定義(工学分野)をもとに、科学技術への興味を育む初等中等教育への出前授業の展開であり、子どもたちに科学実験やものづくりを体験してもらうことで、その面白さや達成感を味わい、少しでも科学やものづくりへの興味が促されることを目的としています。

 日置市立妙円寺小学校では、職員5名が出向き、日置市立妙円寺小学校3年生2クラス55名の児童に対して、音に関するテーマ「おとのフシギ」と「おとであそぼう」を実施しました。

 「音のフシギ」は今回初めて行う演示形式のテーマで、音とは何か、音がどうして聞こえるのかを真空容器や音叉を使った実験で確かめました。また、オシロスコープを使った音の性質についての説明では、マイクを通してオシロスコープに映し出される音の波形の違いを見ることができました。子どもたちにも声の波形を見る体験をしてもらい、自分の声の形を見て喜び、また一人一人の声の違いを知ることができました。実験前にクイズで問いかけを行い、その後の実験結果に驚き、時には歓声が上がるほどで、子どもたちも興味津々の様子でした。

「音であそぼう」ではブース形式で身近なもので作れる糸電話や風船電話を体験や、自分の声の波形を見られるオシロスコープの実験、音叉の共鳴実験をそれぞれ体験しました。短い時間でしたが、普段、あまり触れることのない機械や音叉の実験ではスタッフの説明を受けながら興味深く観察し、また、糸電話や風船電話では友達と夢中になって楽しむ様子が見られました。

 音のテーマのみで出前授業を行うのは初の試みでしたが、子どもたちに分かりやすく楽しい授業となるよう工夫して取り組みました。授業後のアンケートでは、これまでよりも理科への興味が上がったと答えてくれた児童も多く、「オシロスコープのなみなみせんが不思議だった」「糸電話や風船電話を作ってみたい」「ほかにもいろいろな実験をしてみたい」など前向きなコメントもたくさんもらいました。

 鹿児島市立清和小学校では、技術部から職員12名が出向き、6年生181人の児童に対して、1時間目から3時間目の時間を利用して、科学実験「液体窒素でおもしろ実験」や「空気砲の実験」、「プログラムでゲームをつくろう!」を実施しました。

 演示形式での「液体窒素でおもしろ実験」では、液体窒素に様々な物を入れてその様子を観察しました。カチカチに凍ったバナナで釘を打ったり、乾いた軍手と濡れた軍手の結果の違いを学びました。液体窒素に入れた風船がしぼんでしまった様子を見て、子どもたちは驚いていたようでした。最後に代表者10名の児童に生花を液体窒素に入れる実験を体験してもらい、実際に花びらがパリパリに凍った感触を体感しました。

 「空気砲の実験」では、ダンボールで作成した空気砲にスモークマシンで煙を充填して、押し出された空気の形(うず輪)を観察しました。空気砲の穴の形を丸、四角、星などに変えて実験を行い、子ども達はその結果を予想しながら見入っている様子でした。最後に巨大空気砲が現れたときは、巨大なうず輪に歓声を上げて喜んでいました。

 「プログラムでゲームを作ろう!」では、児童のタブレットを使用してStuduino:bit(株式会社アーテック)というアプリケーションでゲームを作りました。前半の講義・演習では、蟹のキャラクターを描き、プログラムの3つの基本処理について学びながら、最終的に蟹がアイテムをゲットしていく簡単なゲームを完成させました。後半は、自由制作および演習課題に取り組んでもらいました。ゲームを発展させてキャラクターや背景を追加したり、音を鳴らしたりとそれぞれ思い思いの作品作りを楽しんでいる様子でした。またロボットプログラミングとして、レゴマインドストーム(株式会社アフレル)によるライントレースの展示も実施し、1組ずつ順番に観覧してもらいました。床面に描いたラインをロボットがセンサを利用して読み取り、ラインに沿って走行するロボットの説明を聞きながら、子供たちは興味深く見つめていました。

 今年度も、小学校の先生方や保護者の方々、また参加してくれた子どもたちの協力により、目的に向けて実りある出前授業を実施することができました。出前授業では新しいテーマを2つ増やし、テーマ数も充実してきました。学内で実施した「ものづくり体験教室」は残念ながら今年は台風6号の影響により中止となりましたが、一部のテーマをオンデマンドで実施する等、臨機応変な対応により新たな経験を積むことができたかと思います。今後も理工学研究科技術部では、子どもたちの体験の機会を増やすため、またものづくりの次代を担う子どもたちを育むためにもこの活動を継続して開催していく所存です。



1 出前授業「おでかけ実験隊」

No. 小学校名 実施日

対象学年(人数)

実施テーマ
1 鹿児島市立 向陽小学校 R5.6.7

 6年生

 (116名)

液体窒素でおもしろ実験

光の万華鏡
2 肝付町YACうちのうら銀河分団 R5.11.4

 児童・保護者

 (約50名)

液体窒素でおもしろ実験

光の万華鏡
3 鹿児島市立 谷山小学校 R5.11.22

 5年生

 (164名)
信号機のプログラムをつくろう
4 日置市立 妙円寺小学校 R5.11.29

 3年生

 (55名)

音のフシギ

音であそぼう
5 鹿児島市立 清和小学校 R5.12.9

 6年生

 (181名)

液体窒素でおもしろ実験

空気砲の実験

プログラムでゲームをつくろう!
6 鹿児島市立 郡山小学校 R5.12.14

 6年生

 (56名)
信号機のプログラムをつくろう
7 鹿児島市立 田上小学校 R5.12.18

 6年生

 (90名)

プログラムでゲームをつくろう!

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向陽小学校
光の万華鏡

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妙円寺小学校
音であそぼう

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清和小学校
空気砲の実験

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田上小学校
レゴマインドストームによるライントレース





2 地域企業等との共同出前授業

No 企業・小学校 実施日

対象学年

(人数)
実施テーマ
1

九州電力株式会社・鹿児島市立 鴨池小学校

(おでかけ理科教室)
R5.11.11

 6年生

 (82名)

発電体験・感電体験(九電企画)

液体窒素でおもしろ実験

光の万華鏡

巨大空気砲
2

九州電力株式会社・鹿児島市立 武岡台小学校

(おでかけ理科教室)
R5.11.16

 6年生

41名)

発電体験・感電体験(九電企画)

液体窒素でおもしろ実験

光の万華鏡

巨大空気砲

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鴨池小学校
液体窒素でおもしろ実験

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武岡台小学校
巨大空気砲



3 学内イベント(主催)

No. イベント名 実施日 参加者 実施テーマ
1 ものづくり体験教室2023 R5.8.9

 中学生

 18名

【オンデマンド受講】建築模型をつくろう!

※「鍛造チャレンジ!」、「DNA実験~PCRをしてみよう!~」は台風6号接近のため中止



4 学外イベントへの出展

No. イベント名 実施日 参加者 実施テーマ
1 2023年度 Qでんファミリーフェスタ R5.4.23 1000

液体窒素でおもしろ実験

人工イクラ
2 青少年のための科学の祭典 鹿児島2023

R5.7.22

-R5.7.23
1600 光の万華鏡
3 青少年のための科学の祭典『科学のまち』日置市大会 R5.1.20 500 人工イクラ

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青少年のための科学の祭典 鹿児島2023
光の万華鏡

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青少年のための科学の祭典『科学のまち』日置市大会
人工イクラ