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第1回鹿児島国際歯学シンポジウムを開催

[記事掲載日:16.03.02]

 第1回鹿児島国際歯学シンポジウムが、1月30日に鹿児島大学桜ヶ丘キャンパス内の鶴陵会館大ホールで開催されました。前週の23日には記録的な大雪に見舞われましたが、シンポジウム当日は最高気温16度ほどで、この時期にしては暖かい穏やかな1日となりました。
 当日は、大学関係者、学部生、大学院生、一般開業歯科医、歯科技工士、歯科衛生士、歯科関連企業関係者など多方面からの参加があり、参加者総数149名の盛会となりました。
 
 シンポジウムは、高齢化社会に向けた歯科医師を養成するための文部科学省大学改革推進プログラム「健康長寿社会を担う歯科医学教育改革」により実現されたものです。本会の最初にプログラムの総括責任者である岡山大学の窪木拓男歯学部長から、このプログラムの趣旨についてご講演をいただきました。
 
 「グローカルな健康長寿を実現する歯学教育と臨床を考える」を副題に掲げた本シンポジウムは、前半と後半の2部から構成されており、前半のシンポジウムⅠでは地域歯科医療をテーマに3つの講演を行いました。
 
 本学の南浩之教授は、地域歯科診療の実践教育として本学歯学部が長年続けている離島歯科診療同行実習を紹介し、長崎市の開業歯科医である角町正勝先生は、訪問診療など地域に根ざした歯科診療の必要性を熱く語られました。続いて東京大学で死生学を研究されている会田薫子先生は、死に直面した高齢者の本当の幸せについて、分かりやすい実例を用いて説明されました。これらの3つの講演は、実際の地域歯科診療に従事している歯科医師のみならず、多くの若い歯科学生にも深い感銘を与えました。
 
 後半のシンポジウムⅡでは、歯科医学教育の国際化にスポットを当て、東南アジアの歯科医療と歯科医学教育について国内外の4人の講演者にご登壇願いました。 
 本学歯学部が部局間学術交流協定を結んでいるヤンゴン歯科大学(ミャンマー)とアイルランガ大学歯学部(インドネシア)より、シュー・トゥー学長とクーン・プラモノ教授をお招きし、それぞれの国の歯科医学教育事情について貴重な情報提示を頂きました。また、インドネシアとミャンマーに長年積極的な歯科医療援助を行っている本学の中村典史教授と今給黎総合病院の吉田雅史口腔外科部長は、実体験に基づいた説得力のある講演を行いました。これら4つの講演は、大学のグローバル化を強く求められている現在、大学関係者と若い学生の国際的視野の拡大に繋がる貴重な内容となりました。
 
 シンポジウムⅠ・Ⅱとも、それぞれの講演後には若い参加者からの発言も含めて活発な意見交換が行われました。シンポジウム終了後には各講演者に学部から感謝状を贈り、ポジティブな雰囲気での閉会となりました。会終了後に各参加者から頂いた事後アンケートの結果も大変良好で、今回の企画者の1人として嬉しく思いました。来年度以降も、これからの歯科医療のあり方について多くの人々で話し合える場を提供していきたいと考えています。
 

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