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「かごしま国際ノネコ・シンポジウム」を開催

[記事掲載日:16.11.14]

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 10月30日、かごしま県民交流センターにて、鹿児島大学鹿児島環境学研究会主催による「ネコで決まる!?奄美の世界自然遺産!かごしま国際ノネコ・シンポジウム」を開催し、鹿児島市内外、奄美大島、徳之島から、約100名の参加がありました。
 世界自然遺産登録を目指している奄美地域で課題となっているノネコ問題については、昨年奄美大島でシンポジウムを開催しました。奄美地域では多くの住民がこの問題への対応の重要性を認識していますが、一方で、多くの鹿児島市民や鹿児島県民にとってはほとんど認識されていない問題です。
 
 奄美大島と徳之島でノネコ対策を行政が円滑に進め、世界遺産登録を確実なものとするためには、捕獲したノネコを可能な範囲で馴化し、譲渡する取組も必要です。このため、馴化されたノネコを受け入れる飼い主の確保が不可欠になります。もちろん、捕獲したノネコをすべて譲渡することは現実的ではありませんが、こうした取組を両島島民だけではなく、広く鹿児島県民、特に鹿児島市民の理解と協力を得て進めることが重要です。このような背景から、鹿児島市民及び県民にノネコ問題への興味関心を持ってもらうとともに、動物愛護関係者にノネコ問題についての認識を高めてもらうことを目的に本シンポジウムを鹿児島市内にて開催しました。
前田芳實鹿児島大学長による主催者挨拶、西村学環境省那覇自然環境事務所長(中野次長代読)、松本俊一鹿児島県環境林務部次長兼奄美世界自然遺産総括監による共催者挨拶の後、「世界自然遺産登録に向けた現状と外来種対策」と題して、環境省徳之島自然保護官事務所の渡邊春隆自然保護官による基調講演が行われました。
 
引き続き、ニュージーランド保全管理研究所のアル・グレン博士による島嶼地域での侵略的外来種の対策についての事例発表、小栗有子准教授による「ノネコ問題の深さと広がり」をテーマにした基調講演がありました。休憩をはさんで、坂本紘公益社団法人鹿児島県獣医師会長、久野優子一般社団法人奄美猫部代表、美延治郷NPO法人徳之島虹の会理事、伊藤圭子ゆいの島どうぶつ病院長をパネリストとして、「奄美とかごしまのつながりを語る」をテーマにパネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションでは、ノネコ問題は奄美地域だけの問題ではなく県民全体で考えるべきであり、ノネコ問題の事実をみんなで共有して現実的な判断をし、みんながその判断に責任を持つこと、苦渋の決断をした奄美大島・徳之島地域の判断をオール鹿児島で尊重し支えることの重要性を共有することができました。
 
 
(写真上:渡邊自然保護官の基調講演の様子)
(写真中:アル・グレン博士の事例発表の様子)
(写真下:パネルディスカッションの様子)