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理工学研究科技術部が離島での小学生を対象とした出前授業を実施しました

[記事掲載日:17.11.14]

 

 大学院理工学研究科技術部は、平成23年度から始めた地域連携活動の69回目(今年度第12回)として、鹿児島県の平成29年度地域貢献活動サポート事業の助成を受けて、「離島での小学生を対象とした出前授業(科学実験・ものづくり)の実施」(11月8日~11月11日)を行いました。
 本事業は、本技術部が遠隔地(離島)に出向いて出前授業をすることで、都市部と遠隔地(離島)における科学体験の機会の格差を減らし、授業では体験できないような科学実験やものづくり体験によって、児童の知的好奇心の向上を目指すことを目的としています。今回は、技術部から職員4名が奄美大島及び徳之島に出向き、6つの小学校で合計児童数200名を対象に出前授業を行いました。(下部表参照)
 
 奄美大島では、液体窒素を使った科学実験と分光シートを使った光の万華鏡づくりをし、ものの状態変化や光について学習しました。液体窒素では、バナナで釘を打ったり、児童が用意した生卵やパンなどを液体窒素につけて観察したりしました。どの小学校でも、初めて液体窒素を見る子どもが多く、液体窒素について多くの質問を受けました。また、光の万華鏡づくりでは、児童がそれぞれ万華鏡を作り、作り上げた万華鏡で蛍光灯を覗いて”分光”を体験しました。キラキラ虹色に見える光を見て、驚きの声があがっていました。
 
 徳之島では、風船と紙皿を使った「すいすいUFO」を製作し、閉じ込められた空気についての学習をしました。児童が自分自身で作ったUFOを斜面で滑らせて、”風船の中の空気の量”と”移動する距離”の関係を調べました。児童は、より長い距離を出そうと一生懸命UFOのバランスを調整し、新記録が出た時には歓声があがっていました。
 奄美大島・徳之島のいずれの小学校でも、出前授業が初めての児童が多く、少ない機会を活かそうと、とても真剣な様子でした。先生も「普段より目がキラキラと輝いていて、積極的に授業に取り組んでいる」と話しておられました。
 本事業を通して、離島などの遠隔地においては、都市部との科学体験の機会の格差があると感じました。実際に、「科学体験の機会が少ない」、「科学イベントが少ない」、「予算がないため、実験器具等が充実していない」などの現場の意見もありました。このような課題を少しでも改善できるように、本事業で体験したことを今後の活動に活かしていかなければならないと感じました。
 
 最後に、本事業は南国殖産株式会社からの寄付金を活用した「鹿児島県平成29年度地域貢献活動サポート事業」の助成を受けて実施しました。関係者の皆様に心より感謝の意を表します。
 
 
 

地区

実施日

小学校名

学年

人数

(人)

実施テーマ

奄美大島

11/8

奄美市立伊津部小学校

4年生

29

液体窒素

奄美市立奄美小学校

4年生

72

液体窒素

奄美市立大川小学校

1~6年生

37

液体窒素、光の万華鏡

11/9

奄美市立宇宿小学校

1~6年生

29

液体窒素

奄美市立佐仁小学校

1~6年生

12

液体窒素

徳之島

11/11

伊仙町立面縄小学校

4年生

21

すいすいUFO

合計人数

200

 

 

(写真上:液体窒素をかけた生卵とパンを観察する児童と先生方)
(写真中:光の万華鏡づくりの様子)
(写真下:すいすいUFOを斜面に滑らせる児童)
 

 

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