トップページトピックス【研究成果:総合研究博物館】連合農学研究科の大学院生がウバウオ科魚類の新種を発見

【研究成果:総合研究博物館】連合農学研究科の大学院生がウバウオ科魚類の新種を発見

[記事掲載日:20.02.27]

 鹿児島大学総合研究博物館の研究チームはウバウオ科ミサキウバウオ属のミナミウバウオが新種であることを明らかにしました。
 ミナミウバウオは体長3 cmほどの小型種で、腹部にある吸盤で岩やサンゴに張り付いて生活しています。
 
 ミナミウバウオにはこれまでLepadichthys coccinotaenia(リパディクチス コシノテニア)という学名が適用されていましたが、本研究によって、Lepadichthys coccinotaeniaはインド洋南西部にのみ分布する種であり、日本に生息する個体群は新種であることが分かりました。本新種は日本固有種で、和歌山県から鹿児島県、沖縄県の浅海域に生息することが明らかになりました。
 筆頭著者の藤原恭司さんによってこの新種はLepadichthys trishula(リパディクチス トリシューラ)と命名されました。サンスクリット語のトリシューラは、ヒンドゥー教の神であるシヴァが持つ三叉槍のことを指します。これは本新種の特徴である、頭部背面にみられる3本の黄白色の線に因みます。本種の命名の基準となった標本(ホロタイプ)は鹿児島大学総合研究博物館に学術標本として所蔵されています。本研究の成果は日本魚類学会が発行する国際誌Ichthyological Research電子版に2020年2月25日付けで掲載されました。
 
Fujiwara, K., K. Hagiwara and H. Motomura. 2020. Redescription of Lepadichthys coccinotaenia Regan 1921 and description of Lepadichthys trishula sp. nov. from southern Japan (Gobiesocidae: Diademichthyinae). Ichthyological Research, doi: 10.1007/s10228-020-00737-7 (17 pages)
 
【関連ページ】
 総合研究博物館 本村浩之教授 ホームページ
 
 
200227Lepadichthys_coccinotaenia.jpg
写真 新種Lepadichthys trishulaの基準となった奄美大島産の標本(鹿児島大学総合研究博物館所蔵)