トップページトピックス【理工学】加藤太一郎助教らの研究チームが1億年前のホタルの光を再現することに成功

【理工学】加藤太一郎助教らの研究チームが1億年前のホタルの光を再現することに成功

[記事掲載日:20.12.03]

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再現した白亜紀のホタルの発光
 
 
 
 理工学研究科の加藤太一郎助教と中部大学応用生物学部の大場裕一教授と長浜バイオ大学バイオサイエンス学部の白井剛教授の共同チームは、計算科学と分子生物学的手法を駆使し、世界で初めて白亜紀の最初のホタルの発光の再現に成功しました。今回の成果は日本時間12 月3 日(木)午前4 時、米国科学振興協会(AAAS)が発行する科学誌サイエンス・アドバンシズ(電子版)に掲載されました。
 
 
 ホタル科の昆虫は、約1億年前ころに地球上に現れ、そのときにはすでに発光する能力を持っていたと考えられます。ただし、化石記録などからは当時どのような発光色で発光していたのかはわかりません。そこで1億年前のホタルがもっていた発光酵素(ルシフェラーゼ)を計算科学と遺伝子工学により推定復元させ、その復元したルシフェラーゼを発光物質(ルシフェリン)と反応させたところ、現在見られるゲンジボタルやヘイケボタルの黄緑色の発光とは異なる、深い緑色の発光が再現されました。深い緑色の発光には、外敵に対する防御のための効果があったと考えられます。つまり本成果は、失われた過去の光景の一部を現実に甦らせた世界最初の報告であると言えます。
 
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ミャンマーから発見された約1億年前のホタルの琥珀化石(画像提供:モスクワ昆虫センター・カザンチェフ博士)