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【博物館】日本初記録!フサカサゴの仲間を発見

[記事掲載日:21.06.09]

 総合研究博物館と大分マリーンパレス水族館「うみたまご」の研究チームが日本初記録のフサカサゴ科イソカサゴ属魚類を発見し、日本魚類学会が発行する英文誌「Ichthyological Research(イクチオロジカル・リサーチ)」のオンライン版に2021年6月7日付けで掲載されました。

 

 日本国内で琉球列島などに広く分布するマメサンゴカサゴScorpaenodes hirsutus(スコルパエノデス ヒルスタス)とされているものに2種が含まれていることを明らかにしました。もう1種はこれまで国内からは記録がなかったScorpaenodes kelloggi(スコルパエノデス ケロッグアイ)と同定されました。
 これまで上記2種の形態学的相違はあいまいでしたが、本研究でインド・太平洋広域(アフリカ東岸・紅海~ハワイ・仏領ポリネシアにかけて)から得られた125個体を詳細に比較検討し、頭部の棘の状態や計数・計測形質および色彩の19形質が両種を識別する新たな形質として有効であることを明らかにしました。
 2種の形態学的相違を明らかにした上で、標準和名の検討を行い、マメサンゴカサゴという和名が提唱された際に用いられた標本がScorpaenodes hirsutusであると特定されました。Scorpaenodes kelloggiには適用すべき和名がなく、本研究において、新標準和名スズメイソカサゴを提唱しました。スズメイソカサゴは最大体長4cmの小型種で、国内では伊豆諸島から鹿児島県、琉球列島に分布することが分かりました。
 本研究は南日本の岩礁やサンゴ礁域における生態系を理解するための基礎的知見となります。鹿児島大学総合研究博物館では国内外の魚類多様性を把握するために、魚類の分類や系統、生物地理の研究を行っています。過去10年で111新種、108種の魚類の標準和名を命名しており、世界の魚類学における拠点としての役割を担っています。
 
Hoshino, K. and H. Motomura. 2021. Redescriptions of the Indo-Pacific scorpionfishes Scorpaenodes kelloggi (Jenkins 1903) and Scorpaenodes hirsutus (Smith 1957) (Scorpaenidae). Ichthyological Research, doi: 10.1007/s10228-021-00818-1 (14 pp)
 
 
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スズメイソカサゴScorpaenodes kelloggi(鹿児島大学総合研究博物館所蔵)
 

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