トップページトピックス【医歯学総合研究科】認知機能低下・身体の老化は口の機能低下から

【医歯学総合研究科】認知機能低下・身体の老化は口の機能低下から

[記事掲載日:21.09.24]

 医歯学総合研究科顎顔面疾患制御学分野(鹿児島大学病院歯科部門口腔外科)の杉浦 剛教授の研究チームは、垂水市との協働プロジェクト「たるみず元気プロジェクト」で得られた832人のデータから、口腔機能の低下が身体機能の低下及び軽度認知障害につながることを明らかにし、2021年4月12日に国際学術誌『Journal of Clinical Medicine』に掲載されました。
 この結果は、口腔機能の低下を歯科治療で予防することにより、認知機能低下や身体機能低下(フレイル)を予防することができる可能性を示しています。
 
 
【主な調査結果】
  • 口腔機能低下は、心身の機能低下(フレイル)、全身の筋力低下(サルコペニア)、軽度認知障害のいずれとも関連している。
  • 口腔機能低下の中でも咬合力(かみ合わせの力)の低下、と舌圧(舌の力)の低下は、フレイル、サルコペニア、軽度認知障害すべてに関連している。
  • 嚥下機能(飲み込みの力)の低下は、フレイルとなる危険性を2.56倍増加させる。
  • 咬合力低下は、軽度認知障害となる危険性を1.48倍増加させる。
  • 低舌圧は、軽度認知障害となる危険性を1.77倍増加させる。
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【原著論文情報】
<タイトル>
Association of Oral Hypofunction with Frailty, Sarcopenia, and Mild Cognitive Impairment: A Cross-Sectional Study of Community-Dwelling Japanese Older Adults
<著者名>
Maya Nakamura, Tomofumi Hamada, Akihiko Tanaka, Keitaro Nishi, Kenichi Kume,Yuichi Goto, Mahiro Beppu, Hiroshi Hijioka, Yutaro Higashi, Hiroaki Tabata, Kazuki Mori,Yumiko Mishima, Yoshinori Uchino, Kouta Yamashiro, Yoshiaki Matsumura,Hyuma Makizako, Takuro Kubozono, Takayuki Tabira, Toshihiro Takenaka, Mitsuru Ohishi and Tsuyoshi Sugiura
<雑誌>
Journal of Clinical Medicine 2021, 10(8), 1626
<doi>
10.3390/jcm10081626