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第9回稲盛アカデミー公開シンポジウムを開催しました

[記事掲載日:21.12.09]

 

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 12月5日、稲盛会館において、第9回稲盛アカデミー公開シンポジウムを開催しました。コロナ禍の中、ソーシャルディスタンスを十分に確保した上で約70名の参加者を迎えました。
 
 「利他の経営―稲盛経営哲学の真髄を学ぶ―」と題した今回のシンポジウムでは、共著書『利他の構造』(ミネルヴァ書房)を本年10月に刊行された日置 弘一郎氏(京都大学名誉教授、本学稲盛アカデミー客員教授)をお迎えし、「利他について」の演題で第1部の基調講演を頂きました。
 日置氏は「利他」概念について歴史的な考え方の推移を紐解き、その後、近代日本の資本主義の父である渋沢 栄一にも言及され、「社会性を帯びた事業で利益をあげることは利己ではない」旨を説明されました。そして、渋沢 栄一、松下 幸之助、稲盛 和夫名誉博士へと続く、経営者に共通する経営の本質について講演されました。
 
 第2部の前半では『利他の構造』を共同で執筆された奥野 明子氏(甲南大学経営学部教授)、寺本 佳苗氏(麗澤大学経済学部准教授)、中尾 悠利子氏(公立鳥取環境大学経営学部准教授)、李 超氏(近畿大学経営学部准教授)、粟野 智子氏(株式会社ウェイアンドアイ代表取締役)から著書の中の自身が執筆された部分についてのご報告をいただき、様々な視座から「利他」概念を考究する材料を提供していただきました。
 その後、第2部の後半では稲盛和夫研究会・経営哲学分科会会長の田中 一弘氏(一橋大学大学院経営管理研究科教授)から全体についてのコメントをいただいた上で、前半の報告者の「利他」概念への質問を投げかけていただきました。さらに田中氏からは「利他」の概念にもいくつもの段階や種類があるのではないかとの問題提起をいただきました。その後、田中氏の質問に執筆者が答えるという形でパネルディスカッションが展開されました。
 
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コメントを行う田中氏
 
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パネルディスカッションの様子
 
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 「利他」は稲盛和夫名誉博士の経営(または稲盛フィロソフィ)の重要なキーワードですが、今回のシンポジウムでは、「利他の経営」の意味するところについて参加者とともにさらに思索を深める貴重な機会となりました。
 
 
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シンポジウム関係者による記念撮影