トップページトピックス産学連携活動の業績が評価され、産学連携学会業績賞を受賞!

産学連携活動の業績が評価され、産学連携学会業績賞を受賞!

[記事掲載日:22.07.15]

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 南九州・南西諸島域イノベーションセンターの藤枝 繁センター長は、2022年度産学連携学会業績賞を受賞しました。この賞は、他のモデルとなるような先端的な産学連携活動を行い、業績を上げた個人および団体へ授与される賞です。


 今回の評価の対象となったのは、「地域に眠る潜在的課題「マイクロニーズ」を起点としたイノベーションの創出」事業。マイクロニーズとは、地域の人々にとっては自然で当然な事象であり、課題として認識されていなかったが、地域外の観察者により明確に課題として認識され、かつその解決過程でイノベーションが期待される潜在的課題のことです。同事業では、研究者が自らの研究成果を突き詰めていく「知の深化」、同センターが様々な手法を用いてマイクロニーズを発掘する「知の探索」を組み合わせ、新たなイノベーションへとつなげてきました。これは地域に限らず研究者にとっても、研究資金の獲得や新たな研究成果へと発展しやすくなるメリットがあり、実際に、2021年度末の南九州・南西諸島域における共同研究・受託研究の契約数は、2010年度から2015年度の平均の2倍以上へと増加する成果を上げました。

 受賞を受け、藤枝センター長は「この受賞は、私個人ではなく、事業に携わったメンバー皆の成果。今後は集めてきたマイクロニーズを更に膨らませ、大きな花を咲かせていきたい。」とコメントしました。同センターでは、今後も大学の研究シーズを地域へと還元し、さらなるイノベーションの創出を目指すこととしています。



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「知の深化」「知の探索」のイメージ図




■同事業の取り組みの一部をご紹介します

 研究成果を可視化し、体感・実験することができる"ショウウィンドウ"のようなスペース「オープン実証ラボ・実証フィールド」。同センターでは、現在10のオープン実証ラボ・実証フィールドを運用し、研究成果を活用いただける可能性のある中小企業とのマッチングや、事業化を支援しています。このスペースでは地域の方々とのコミュニケーションが生まれることから、さらなるマイクロニーズ発掘のきっかけとして大きな役割を果たしています。

 例えば、IoTを用いた先端農業を体験できるサトウキビ圃場・徳之島実証フィールドでの会話の中から、リュウキュウイノシシ肉の活用に関する新たな課題を見つけることができました。徳之島にある大島郡天城町にとって、リュキュウイノシシは畑を荒らす害獣ですが、駆除した肉の活用方法がないということを、同センターが知るきっかけとなったのです。このことを課題として認識し、天城町と農学部・大塚 彰教授をマッチング。そこから始まった研究の結果、リュウキュウイノシシの肉には豚肉の8倍にものぼる抗疲労成分バレニンが含まれていることが判明し、新たなイノベーションへと発展しました。

 このように、マイクロニーズから発展してく取り組みの積み重ねが、今回の評価につながっています。



20220711sangaku00.jpg実際に商品となったリュウキュウイノシシの肉。
この他にも様々なイノベーションが創り出されています。




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