ひらめきときめきサイエンスKAKENHIに採択された海藻押し葉講座を開催

[記事掲載日：22.08.03]

完成した「海の森図鑑」をかかげる子供たち

　7月23日と7月30日の2日間、水産学部（下荒田キャンパス）にて、独立行政法人日本学術振興会ひらめき☆ときめきサイエンスKAKENHI事業（研究成果公開促進費）に採択された公開講座、「発見！体感！本物の海藻を見てさわって海の豊かさを知り、『海の森図鑑』をつくろう」（主催：大学院連合農学研究科　寺田 竜太教授）を開催しました。同講座には、鹿児島県内の小学校5、6年生14名が参加しました。

　7月23日は、説明や観察を通して海の中に「海藻の森」があることを学び、鹿児島大学の調査研究の中で採取された25種の海藻を用いて、押し葉標本を作成しました。また、海苔やワカメ、ヒジキなど、食べられる海藻の生きている姿を観察しました。
　7月30日は、一週間かけて乾燥させた押し葉を台紙にはり、ラベルをはって「学術標本」にしました。その後、できあがった標本をクリアーブックに入れて、世界でひとつだけ、自分だけの「海の森図鑑」を完成させました。また、水産学部の研究室や調査機器類の見学も行いました。

　同講座は、日本学術振興会の科学研究費補助金（科研費）の研究成果還元事業として実施したもので、大学院連合農学研究科と水産学部の教職員で企画しました。海藻の観察を通して身近な海の環境と生物多様性を理解すると共に、SDGs の目標14「海の豊かさを守る」の認識を深めてもらうことを目的としています。開催に際しては、参加者を教室の収容定員の半分以下とし、検温とマスク着用の上で間隔を広くとることで、対面での実習の基準を満たした上で実施しました。
　10回目の開催となる同講座は、日本学術振興会からも高く評価されており、平成29年度には「ひらめき☆ときめきサイエンス推進賞」を受賞しました。また、よく練られた企画として、日本学術振興会のホームページで過去2回、事例紹介されています。

食べられる海藻を観察する子供たち

紅藻オゴノリの押し葉を作成する様子

ラベルを台紙に貼って標本にする様子