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第10回稲盛アカデミー公開シンポジウムを開催

[記事掲載日:22.12.13]

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 12月4日、稲盛会館において、第10回稲盛アカデミー公開シンポジウムを約90名の参加者を迎え開催しました。

 「稲盛フィロソフィを学ぶ―経営における誠実さとは何か―」と題した今回のシンポジウムでは、一橋大学大学院経営管理研究科教授の田中 一弘氏(稲盛和夫研究会・経営哲学研究分科会会長)をお迎えし、「稲盛「経営哲学」と〈誠実さ〉」の演題で第1部の基調講演を頂きました。
 田中氏は京セラ創業直後の稲盛名誉博士が、その時点では技術的にできるかどうか分からなかった困難な注文も、従業員のために引きうけ、納期までに完成させたとのエピソードを紹介され、「注文を取った後に「虚」を「実」にするために稲盛さんは、猛烈な努力をされた」、「稲盛さんには、約束した時点で能力が欠けていても、実現させる意志があった」と稲盛名誉博士の経営における誠実さについて述べられました。また、田中氏は、「馬鹿正直」と「真っ赤な嘘」の間に「回りくどい〈誠実さ〉」があり、「回りくどい〈誠実さ〉」によって、約束したことを実現して来られた稲盛名誉博士の経営について語られました。

 第2部のパネルディスカッションでは、本学稲盛アカデミー劉 美玲講師がモデレーターを務め、田中氏の他、粕谷 昌志氏(京セラ株式会社稲盛ライブラリー研究出版課責任者・鹿児島大学稲盛アカデミー客員教授)、髙 巖氏(明治大学経営学部特任教授・鹿児島大学稲盛アカデミー客員教授)、本学稲盛アカデミー吉田 健一准教授が稲盛名誉博士の経営における「誠実さ」について議論しました。
 髙氏からは、「誠実さは相手の経験や知識にも依存する」との発言があり、長く側近として稲盛名誉博士の近くで仕事をされてきた粕谷氏からは、「決断をされる前には必ず心を整えるために沈思黙考された」などの貴重な稲盛名誉博士の生前のエピソードが語られました。

 今回は稲盛和夫名誉博士が本年8月24日にお亡くなりなられて初めての公開シンポジウムとなりましました。稲盛名誉博士の生前のご遺徳を偲ぶとともに、経営における「誠実さ」の意味するところについて参加者とともに思索を深める貴重な機会となりました。



20221213inamori01.jpgパネルディスカッションの様子

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シンポジウム関係者による記念撮影