トップページトピックス【理工学】21世紀で最も明るい重力崩壊型超新星の追観測による成果 -大学望遠鏡とアマチュア天文家のタッグによる高い機動力を活かした成果-

【理工学】21世紀で最も明るい重力崩壊型超新星の追観測による成果 -大学望遠鏡とアマチュア天文家のタッグによる高い機動力を活かした成果-

[記事掲載日:23.08.18]

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 本学大学院理工学研究科天の川銀河研究センターの山中雅之特任助教らが、21世紀以降で最も明るい重力崩壊型超新星の追観測によって成果を挙げました。
近年、爆発直後の超新星に強い輝線が検出されていることが報告されています。これは、爆発の前に星から噴出して形成された星周ガスの存在を示唆します。その後、いくつか観測例が増えたものの詳細な観測事例が乏しく、特に輝線を示す組成には多様性が認められるのか、その特徴と超新星そのものの性質に関係性が存在するのか、などは明らかになっていませんでした。

 超新星SN 2023ixfは、太陽系から非常に近くの銀河M101にて爆発後間もない時期に発見されました。研究グループは、発見情報をすぐにつかみ翌晩から超新星SN 2023ixfの分光観測および近赤外線観測を実施しました。その結果、スペクトルにおいて水素・ヘリウム・炭素・窒素による強い輝線を見出しました。この超新星が窒素などを豊富に含む星周ガスを持つと類推されます。このガスは、爆発する元の星から噴出されたものと考えられます。超新星を引き起こす星の進化に対する理解への手助けとなるものであり、今後の理論研究の発展に期待が持たれます。

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【掲載誌情報】
【発表雑誌】Publications of the Astronomical Society of Japan
【論 文 名】Bright Type II Supernova 2023ixf in M101: A Quick Analysis of the Early-Stage Spectra and Near-Infrared Light Curves
【著  者】Yamanaka, Masayuki; Fujii, Mitsugu; Nagayama, Takahiro
【DOI】10.1093/pasj/psad051

【関連リンク】
https://arxiv.org/abs/2306.00263 (アーカイブにて公開した論文。受理後にupdate済)
http://agarc.sci.kagoshima-u.ac.jp/ja/ (天の川銀河研究センターwebページ)
http://otobs.org/FBO/fko/fko_index.html (藤井黒崎観測所)




【問い合わせ先】
鹿児島大学大学院理工学研究科天の川銀河研究センター 山中雅之
TEL: 099-285-8012 mail: yamanaka@sci.kagoshima-u.ac.jp
鹿児島大学大学院理工学研究科 永山貴宏
TEL: 099-285-8958 mail: nagayama@sci.kagoshima-u.ac.jp