トップページトピックスモジャコ漁スマート化技術開発~鹿児島Digi-1グランプリ2023で準グランプリ受賞!

モジャコ漁スマート化技術開発~鹿児島Digi-1グランプリ2023で準グランプリ受賞!

[記事掲載日:23.11.28]

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 鹿児島大学水産学部・鹿児島大学工学部・鹿児島大学練習船かごしま丸および南星丸で取り組んでいる「海洋ビックデータを利用したモジャコ漁スマート化技術開発」が、鹿児島Digi-1グランプリ2023オープンの部において準グランプリを受賞しました。

 ブリ類養殖に必須な種苗は、流れ藻に随伴する天然ブリ稚魚(モジャコ)に依存しています。広大な海で好適なモジャコ漁場を探索するには、流れ藻が来遊する時期・海域を予測しなければなりませんが、不確実性が伴うため多大な労力・時間・経費が必要となります。この問題を解決するため、鹿児島大学水産学部水圏科学分野の研究グループは、既存の技術では困難で経験知に依存していた流れ藻の探索をスマート化するシステムを開発し、そのシステムを社会実装化するためのウェブサイトを公開しました。
 鹿児島大学工学部で開発された高分解能沿岸海洋モデルで、モジャコ漁場となる海域の詳細な海流・水温マップを自動作成することによって、モジャコが随伴する流れ藻が集積しやすい海域が推定できる「流れ藻マップ」を公開しました。また、この高分解能沿岸海洋モデルを使った数値実験が表現される動画を作成することにより、モジャコ漁期前においてモジャコが随伴する流れ藻がいつ・どの海域に輸送されるかが推定できる「流れ藻予測モデル」を公開しました。さらに、非常に悪天候・悪海況であるモジャコ漁期前に鹿児島大学練習船かごしま丸・南星丸が流れ藻観測を行うことにより、黒潮流域~薩南海域における流れ藻の分布状況が把握できる「流れ藻観測速報」を公開しました。モジャコ漁業者や種苗採捕計画を策定する関係者がこのウェブサイトを利用すれば、漁場探索のための労力・時間・経費を削減できるだけでなく、天然種苗確保の不確実性を低減できる可能性があります。

 本研究は、鹿児島大学水産学部・鹿児島大学工学部、鹿児島大学練習船かごしま丸および南星丸との共同研究により行われました。これらの情報はウェブサイトにて公開され、鹿児島県内の関係漁業協同組合からのご協力を頂き、社会実装化を開始しています。

ウェブサイト情報 
◯鹿児島大学水産学部水圏科学分野
https://www.fish.kagoshima-u.ac.jp/aqua/
◯モジャコ漁スマート化プロジェクトサイト
https://nagaremo.fish.kagoshima-u.ac.jp/

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鹿児島Digi-1グランプリ2023の賞状
プロジェクトチームからは、工学部山城教授が授賞式に出席しました