【博物館・農林水産学研究科】新種のヘビギンポ科魚類を発見、テンテンヘビギンポと命名
[記事掲載日:24.02.19]
鹿児島大学総合研究博物館、農林水産学研究科、屋久島ダイビングサービス「もりとうみ」の研究チームは、琉球列島における魚類調査の過程でヘビギンポ科魚類の新種を発見し、Enneapterygius sericus(エネアプテリギウス セリカス)と命名しました。種小名のsericusはラテン語で絹を意味し、これは本種が光沢のある白色の体をもつことに由来します。また、頭部の特徴的な水玉模様に因み、本種に対して新標準和名テンテンヘビギンポを提唱しました。本研究の成果は、日本魚類学会が発行する英文誌「Ichthyological Research」(イクチオロジカル リサーチ)に2024年1月30日付けで掲載されました。
テンテンヘビギンポは全長2 cmほどの小型の魚で、比較的浅い岩礁域に生息します。本種は日本からオーストラリア、ソロモン諸島にかけての西太平洋に分布しており、国内では琉球列島の広域から確認されました。屋久島では2月から4月にかけて本種の産卵が確認されており、頭部と腹部が黒色に染まった婚姻色のオスを観察することができます。
本研究で使用したテンテンヘビギンポ51標本は,鹿児島大学総合研究博物館を始めとし、スミソニアン自然史博物館やビショップ博物館、オーストラリア博物館など国内外の7研究機関に所蔵されています。
( テンテンヘビギンポの生鮮写真。上がオス、下がメス )
( テンテンヘビギンポの水中写真(原崎 森氏撮影)。頭の上に「テンテン」。)
【掲載論文】Enneapterygius sericus, a new species of triplefin (Perciformes: Tripterygiidae) from the western Pacific Ocean
【著者名】Yuna Dewa, Shigeru Harazaki and Hiroyuki Motomura
【掲載誌】Ichthyological Research, 13 pages
【DOI】https://doi.org/10.1007/s10228-023-00945-x
【関連ページ】
総合研究博物館 本村浩之教授 ホームページはこちら