トップページトピックス【博物館・連合農学研究科】日本初記録となるヨウジウオ科魚類を発見、「リュウキュウイシヨウジ」と命名

【博物館・連合農学研究科】日本初記録となるヨウジウオ科魚類を発見、「リュウキュウイシヨウジ」と命名

[記事掲載日:24.08.30]

  • topics-SDGs-14(海の豊かさを守ろう)

 鹿児島大学総合研究博物館と大学院連合農学研究科、および高知大学理工学部の研究チームは、これまで日本国内での標本に基づく記録と適用される標準和名がなかったヨウジウオ科イシヨウジ属Corythoichthys intestinalis(コリソイクチス インテスティナリス)を奄美大島と伊江島から11個体報告し、本種に新標準和名としてリュウキュウイシヨウジを提唱しました。この和名は、本種が琉球列島に分布することに因みます。

 リュウキュウイシヨウジは、これまで西太平洋の熱帯域に分布することが知られており、分布の北限はマリアナ諸島とされていました。奄美大島の個体は本種の分布北限を1,300 km以上北に更新する記録になりました。奄美大島と伊江島から得られた3標本と、昨年奄美大島で撮影された本種に同定される個体は抱卵していることから、リュウキュウイシヨウジは琉球列島で再生産している可能性があります。

 本研究の成果は、日本動物分類学会が発行するSpecies Diversityにて2024年8月23日に公開されました。リュウキュウイシヨウジと同定された標本(標準体長31.1-112.8 mm)は高知大学理工学部海洋生物学研究室、神奈川県立生命の星・地球博物館、および横須賀市自然・人文博物館に保管されています。


【掲載論文】First Japanese record of Corythoichthys intestinalis (Teleostei: Syngnathidae) from the Ryukyu Islands
【著者名】Daijiro Yuki, Hiromitsu Endo and Hiroyuki Motomura
【掲載誌】Species Diversity, Vol. 29, pp. 247-253
【DOI】https://doi.org/10.12782/specdiv.29.247

【関連ページ】
 総合研究博物館 本村浩之教授 ホームページはこちら

20240830ryukyuisiyouzi.jpg

標準和名リュウキュウイシヨウジの基準となった標本の生鮮時写真

(高知大学理工学部海洋生物学研究室所蔵:佐藤真央氏撮影)