トップページトピックス【防災C】第45回鹿大防災セミナー「避難所生活の支援」を開催

【防災C】第45回鹿大防災セミナー「避難所生活の支援」を開催

[記事掲載日:25.01.16]

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 1月10日、本学地域防災教育研究センター主催の第45回鹿大防災セミナー「避難所生活の支援」をオンラインで開催し、県内外から計215名が参加しました。

 セミナーでは、地域防災教育研究センター防災教育部門長の松成裕子教授(医歯学域医学系)の司会のもと、田松裕一教授(医歯学域歯学系)が「大規模災害時の避難所における口腔ケア」と題して講演を行いました。講演では、大規模災害時における歯科医師の役割、特に高齢者の誤嚥性肺炎予防の重要性について説明がありました。また、阪神・淡路大震災や東日本大震災の事例から、避難所生活での口腔ケア不足が、災害関連死を含む健康被害につながる危険性を指摘しました。田松教授は、限られた状況の中での効果的な口腔清潔の保持方法や、筋力低下防止のための運動についても触れ、防災セットへの歯ブラシや洗口剤の備えの必要性を強調しました。

 次に、福満博隆准教授(総合教育機構共通教育センター)が「避難生活者の健康づくり支援について」と題して講演を行いました。講演では、避難所や仮設住宅での生活が避難者、特に高齢者の身体的・精神的健康に及ぼす影響について説明があり、生活習慣の乱れや社会的孤立が健康の低下や生活機能の悪化を引き起こす主な要因であることが指摘されました。福満准教授は、口永良部島での調査結果をもとに、健康支援の一環として実施されたレクリエーション活動の効果を紹介。さらに、災害時における行政と民間団体の連携不足や支援体制構築におけるマンパワーの不足といった課題を挙げ、平時からの健康づくりと災害時の迅速な対応体制の重要性を訴えました。

 参加者からは、避難生活での健康管理の難しさとその重要性について多くの意見が寄せられ、災害への備えと心構えを再認識する貴重な機会となりました。

 なお、令和6年度、最後のセミナーが1月27日に開催されます。現在参加申し込み受け付け中ですので、皆様のご参加をお待ちしております。

詳細は、鹿児島大学地域防災教育研究センターホームページ

https://bousai.kagoshima-u.ac.jp/r6-seminar/

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(田松教授の講演の様子)



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(福満准教授の講演の様子)