トップページトピックス【博物館・農林水産学研究科】深海から漁獲された魚の口の中から日本初記録のトラギス科魚類ハネズトラギス(新称)を発見

【博物館・農林水産学研究科】深海から漁獲された魚の口の中から日本初記録のトラギス科魚類ハネズトラギス(新称)を発見

[記事掲載日:25.07.08]

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 鹿児島大学総合研究博物館と農林水産学研究科を主とする研究チームは、日本国内からの記録と標準和名がなかったトラギス科トラギス属魚類Parapercis moki(パラペルシス モキ)が奄美大島沖の深海から1個体採集されたことを報告し、本種に新標準和名ハネズトラギスを提唱しました。これは本種の体側にある鞍状斑と横帯が、伝統色である朱華色(はねずいろ)に相当する赤橙色を呈することに由来します。

 ハネズトラギスはこれまで台湾南西部から得られた3標本のみが知られている稀種で、奄美大島では水深300 mから釣獲されたアカヤガラの口腔内より採集されました。

 本研究の成果は、日本魚類学会が発行する魚類学雑誌にて2025年7月5日に公開されました。ハネズトラギスに同定された標本(標準体長99.0 mm)は鹿児島大学総合研究博物館に所蔵されています。

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(標準和名ハネズトラギスの基準となった標本の生鮮時写真(鹿児島大学総合研究博物館所蔵))


【掲載論文】奄美大島沖の深海から得られた日本初記録のトラギス科魚類parapercis mokiハネズトラギス(新称)
【著者名】栗山顕太・本村浩之
【掲載誌】魚類学雑誌
【DOI】https://doi.org/10.11369/jji.25-007

【関連ページ】
 総合研究博物館 本村浩之教授 ホームページ
http://www.museum.kagoshima-u.ac.jp/staff/motomura/motomura.html