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【研究成果】エボラウイルス病に対する治療薬候補となる新規化合物を同定

エボラウイルス病に対する治療薬候補となる新規化合物を同定
〜米国Texas Biomedical Research Instituteのバイオセーフティーレベル4(BSL4) 実験施設を用いた国際共同研究の成果〜
 
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 本学難治ウイルス病態制御研究センターの馬場昌範教授と外山政明特任助教は、Robert A. Daveyボストン大学教授〔前Texas Biomedical Research Institute(TXBiomed)教授〕、櫻井康晃 長崎大学特任研究員(前TXBiomed研究員)、榊原紀和 徳島文理大学講師らと、TXBiomedのバイオセーフティーレベル4(BSL4)実験施設を用いた国際共同研究により、エボラウイルスの感染を強く阻害する新規化合物を同定することに成功しました。
本研究成果は、2018年11月3日に国際専門学術誌「Antiviral Research」のオンライン版に掲載されています。
 エボラウイルス病(通称、エボラ出血熱)は、エボラウイルスが人に感染することで引き起こされる非常に致死率の高い感染症ですが、未だ認可された治療法はありません。2013年から2016年には西アフリカにおいて11、000人以上の死者を出し、現在もコンゴ民主共和国においてアウトブレイクを起こしており、早急な治療薬の開発が切望されています。
 馬場教授らは、エボラウイルス病患者において弱いながらも一定の治療効果が示唆された抗マラリア薬であるアモジアキンに着目し、その抗エボラウイルス活性を増強するために、当時研究室に保有していた約70種類の誘導体を、以前より抗エボラウイルス薬に関して共同研究を行っていたTXBiomedに送りました。TXBiomedではDavey教授と櫻井研究員が、それらのエボラウイルスに対する活性を、同研究所のBSL4施設において、培養細胞に用いて検討したところ、アモジアキンよりも活性の高い複数の化合物を同定しました。また、それらの化学構造を解析したところ、特定の2か所の構造を変えることで、細胞に対する毒性を増強させることなく、抗エボラウイルス活性のみを増強出来ることを明らかにしました。そこで、それら2か所の構造を同時に変えた一連の化合物を榊原講師が新たに合成したところ、より強力な抗エボラウイルス活性を持つ化合物を複数同定することに成功しました。
 今後は、本研究において同定された化合物の治療効果を動物実験によって検証する予定であり、既に試験用薬剤の準備も完了しています。動物実験によって効果が確認されれば、既に本学とTXBiomedで国際特許も共同出願済であることから、エボラウイルス病に対する新規治療薬の開発に繋がると期待されます。
 
 
鹿児島大学難治ウイルス病態制御研究センター
抗ウイルス化学療法研究分野
教授 馬場 昌範
 
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