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第35回京都賞受賞者を囲む鹿児島コロキウムを開催

[記事掲載日:19.12.06]

 京都賞受賞者鹿児島講演会に先立ち、11月15日、部門ごとの受賞者を囲む鹿児島コロキウム(鹿児島大学主催)を鹿児島市内のホテルで開催しました。
 
 チン・W・タン博士(化学者、香港科技大学 IAS東亜銀行教授、ロチェスター大学 名誉教授)受賞の先端技術部門では、門川淳一理工学研究科教授が進行役となり、寺田教男理工学研究科教授、野見山輝明理工学研究科准教授、および理工学研究科修士課程2年の野口誠一郎さん、千北大喬さんが参加しました。参加者の自己紹介、専門分野紹介の後、初めに野口さんが“Physical/chemical preparation of fluorescent composite/hollow particles”を、続いて門川教授が“Fluorescent emission materials by means of FRET system using ionic liquids”を発表し、タン博士からは多くの質問とアドバイスを頂きました。終始、活発な議論と意見交換がなされ、時間が足りないほどでした。特に、初めの自己紹介に対しても、それぞれの研究内容に対して多くの質問をされるなど、タン博士の旺盛な好奇心と研究に対する尽きぬ情熱が感じられ、教員のみならず大学院生にとっても有意義な時間を過ごすことができました。
 
 
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先端技術部門(材料科学)チン・W・タン博士
 
 
 ジェームズ・ガン博士(宇宙物理学者、プリンストン大学 ユージン・ヒギンズ宇宙物理学名誉教授)受賞の基礎科学部門では、令夫人で天文学が専門のジル・ナップ博士も同席の下、半田利弘理工学研究科教授が進行役となり、鹿児島大学天の川銀河研究センター教員である和田桂一理工学研究科教授、今井裕共通教育センター准教授、中西裕之理工学研究科准教授、永山貴宏理工学研究科准教授、塚本裕介理工学研究科助教および物理・宇宙専攻の大学院生である宇野友理さん、川本莉奈さん、平田優志さん、村瀬建さんが参加しました。氏名と専門についての自己紹介に続き、天の川銀河研究センターで行われている研究の概要について、今井(電波天文学)、永山(赤外線天文学)、和田(理論天体物理学)が分担してコンパクトに紹介しました。ガン博士からは鹿児島大学では高水準の天文学研究活動がなされていることがよくわかったとの感想をいただきました。続いて、ガン博士によりSDSSがどのような目的で立案され、どのように実現したかについて紹介があり、SDSSでの日本との研究上での繋がりについてもお話しいただきました。続いて中規模の大学での研究活動について意見交換を行い、ガン博士からはご自身の経験から今後の天文学では装置開発とそれを実行できる人材育成が重要なのではとの意見をいただきました。ガン博士・ナップ博士からも積極的な発言をいただけるなど、予定時間を大幅に超過する盛り上がりとなりました。
 
 
 
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基礎科学部門(地球科学・宇宙科学)ジェームズ・ガン博士
 
 
 
 アリアーヌ・ムヌーシュキン氏(演出家、太陽劇団 創立者・主宰)受賞の思想・芸術部門では、鵜戸聡法文学系准教授が進行役となり、二村淳子共通教育センター講師、および、ボルドー大学に留学経験のある法文学部人文学科の学部生の岡村誉子さん、宮本夏実さん、安樂美涼さんが参加し、情報化時代における演劇について議論が行われました。映画も手掛けておられるムヌーシュキン氏ですが、複製技術がますます進化する時代にあって、なまの身体が劇場で直接観客に語りかける演劇は、そのかけがえなさがむしろ際立ったものとなっているというお話でした。また、ご自身が歌舞伎など日本の伝統演劇から受けた影響や、現在日本で準備している新しい作品についても語って頂きました。
 
 
 
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思想・芸術部門(映画・演劇)アリアーヌ・ムヌーシュキン氏
 
 
 各分野最高峰の受賞者と直接議論が出来たことは、鹿児島コロキウム参加者にとって大きな財産となりました。受賞者が研究を通じて築き上げてきた人生観や世界観にも触れることができ、本学における教育研究のさらなる発展に資する貴重な機会となりました。
 
 
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記念撮影(「先端技術部門」コロキウム参加者)
 
 
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記念撮影(「基礎科学部門」コロキウム参加者)
 
 
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記念撮影(「思想・芸術部門」コロキウム参加者)