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【総合研究博物館・農林水産学研究科】台湾固有種と考えられていたハオコゼ科魚類の国内における生息を確認 -新標準和名アカハチオコゼを提唱

[記事掲載日:21.10.13]

 大学院農林水産学研究科1年の望月健太郎さんを筆頭とする総合研究博物館、京都大学、および高知大学の研究チームは、南日本の太平洋沿岸から得られた標本の調査から、ハチオコゼ科魚類のOcosia spinosa(オコシア スピノーサ)を10個体発見し、体色に因み、新標準和名「アカハチオコゼ」を提唱しました。
 アカハチオコゼはこれまで台湾の固有種とされてきましたが、本研究により南日本の太平洋沿岸に広く分布することが明らかとなりました。これまで日本における生息が確認されていなかったのは、本種の形態的特徴が曖昧だったためです。本研究では台湾産の標本を含むアカハチオコゼとハオコゼ科全種の比較を行い、アカハチオコゼの形態的特徴を明らかにしました。
 アカハチオコゼの日本における生息確認地は黒潮の流域と重なっています。日本の個体群は台湾由来だと思われますが、日本国内でどの程度再生産(繁殖)しているのか明らかにするためには、今後の更なる研究が必要です。
 
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アカハチオコゼOcosia spinosaの写真(高知大学撮影)
 

【タイトル】
Revised diagnosis and first Japanese records of the waspfish Ocosia spinosa (Teleostei: Tetrarogidae)
【著者】
Kentaro Mochizuki, Yoshiaki Kai, Hiromitsu Endo, and Hiroyuki Motomura
【掲載誌】
Species Diversity, Vol. 26, pages 281–287
【DOI】
10.12782/specdiv.26.281
 

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