本学で開発された超高輝度・大光量の省エネ型LED照明の実証実験を開始
[記事掲載日:22.07.29]
南九州・南西諸島域イノベーションセンターでは、本学で開発された「FGHP®ライト」を実際に体験いただくことができるスペース、「カーボンニュートラル実証フィールド」を教育学部の球技場に開設しました。この照明は、大学院理工学研究科の水田 敬助教がもつ半導体の発熱問題解決に関する技術シーズと、四国計測工業株式会社のもつ卓越した半導体技術との出会いによって生み出された、超高輝度・大光量の省エネ型LED照明です。
この照明の開発の背景には、近年進んでいる脱炭素社会実現のためのLED照明の導入の流れが挙げられます。電球や蛍光灯などの小型照明のLEDへの代替が進む一方で、運動場や天井の高い施設で使われる高輝度・大光量照明の分野では、LED照明へと代替しても十分な強さの光を発生させることができず、省エネ効果が得られないという課題がありました。これは、大光量故に発生する大量の熱により、LEDが本来の性能を発揮することができていなかったことが原因でした。
そこで水田助教と四国計測工業株式会社との共同研究で生み出されたのが、超高輝度・省エネ型の大光量LED照明「FGHP®ライト」です。LEDの熱問題を解決し、LEDの優れた性能を余すことなく引き出すことに成功した照明で、高輝度・大光量の水銀灯を代替するのに十分な強さの光を発し、水銀灯比で83%以上もの省エネ化を実現しています。
カーボンニュートラル実証フィールドに設置された高輝度・大光量照明。
従来の2kw水銀灯10灯と、570wのFGHPライト6灯を比較することが可能です。
FGHPライト6灯のみ点灯時の様子。
少ない台数と圧倒的に少ない消費エネルギーで、
従来の水銀灯と同等の明るさを実感いただけます。
同センターでは、今後も実証実験の場を増やし、省エネルギー効果と十分な明るさを更に広範囲へと伝えていくとともに、昨年度開発した「ドローンを用いた迅速照度分布測定技術」を活用し、既設照明の迅速かつ効果的な置き換えを実現するためのスキームを確立していくこととしています。
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