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鹿大生、空を飛ぶ!操縦飛行体験インターンシップ「SKYCAMP」レポートをお届けします(動画あり)

[記事掲載日:21.03.09]

 3月1日、操縦飛行体験インターンシップ「SKYCAMP」が始まりました。
 第一期生となった学生7名が、鹿児島空港内のフライトトレーニングセンターで、実際の操縦士訓練でも使用される機器等を使用しながら、様々なプログラムを受講しています。
 初日の開講式・オリエンテーションと、実際の操縦飛行体験の様子をレポートします。
●SKYCAMP(スカイキャンプ)とは
鹿児島大学・日本航空株式会社(JAL)・日本エアコミューター株式会社(JAC)の3者が締結した連携協力協定に基づき実施する「操縦飛行体験インターンシップ」(詳細はこちら)。
今回初めての実施となります。

目次

 

動画はこちら(音量にご注意ください)

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>>YouTube で見る

■開講式・オリエンテーション(2021/3/1)

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開講式の様子
 
 これから学生が2週間を過ごすのは、鹿児島空港内に併設された操縦士訓練施設 JGAS鹿児島フライトトレーニングセンター(以下JGAS;ジェイガス)です。
 こちらには実際に操縦士を目指す訓練生も在籍しており、学生は期間中、訓練生とともにフライトシミュレーターを扱うこともあるそうです。
 開講式にはJAC及びJALの皆様、本学関係者が集まり(オンライン参加含む)、本学の枚田 邦宏キャリア形成支援センター長、JACの冨田 史宣運航担当取締役、JGASの冨永 政幸航空事業統括本部長が挨拶。学生らも改めて自己紹介を行い、その後、オリエンテーション・施設見学が実施されました。
 また学生には、フライトを記録するための「ログブック(航空日誌)」と山羊革のグローブが配布されました。
 
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冨田 史宣JAC運航担当取締役による挨拶
 
 
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改めて自己紹介を行う学生
 
 
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オリエンテーションの様子
学生を指導してくださるJGAS教官の皆様と初めて顔を合わせました。
 
 
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学生、JAC及びJGASの皆様、本学関係者との記念撮影
 
 

■施設見学

施設見学1:FTD(フライト・トレーニング・デバイス)

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 Flight Training Device 通称 FTD。いわゆるフライトシミュレーターです。
 SKYCAMPではFTDを使用した座学が4回行われます。
 
 

施設見学2:ディスパッチ(運航乗務室)

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 飛行機の運航を監視したり乗務員の管理を行う「ディスパッチ」では、職員の方に気象状況を確認するモニター等を見せていただきました。
 
 

施設見学3:格納庫、エプロン、滑走路

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 右に見える大きな建物が「格納庫」。JGASが所有するヘリコプターや小型の飛行機が格納されています。

 ※格納庫内は撮影・公開できる場所が限られており、許可を得た写真のみ掲載しています。

 
 
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 格納庫の前に広がるエリアを「エプロン」といい、ここで学生は飛行機に搭乗します。
 エプロンの正面には滑走路が。航空会社の旅客機も離着陸を行う本物の滑走路です。学生も同じ滑走路を使用するとのこと!
 
 

学生が搭乗する飛行機がお目見え!「シーラスSR20」

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 明日からお世話になる「シーラスSR20」と初対面。アメリカの航空機メーカー「シーラス・エアクラフト社」の軽飛行機です。
 全長7.92m、最大巡航速度は155ノット(約287km)。
 最大5人乗りとのことですが、翼が長く(全幅11.67m)、近くで見ると迫力あり!
 プロペラが回転するともっと大迫力!
 
 
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記念撮影。明日からの操縦が楽しみです!
 
 

■FTD(フライトシミュレーターを使用した座学・2021/3/4)

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 FTD(Flight Training Device)を使用した座学の様子です。
 これはJGASの訓練生も実際に使用するフライトシミュレーターで、飛行機の模擬操縦を行うことができます。
 この日は、JACパイロットの皆様の他、JGAS訓練生が同席し、学生にマンツーマンで教えていました。
 操縦中の学生以外は、後席で 地図を広げて現在地の確認をしたり、操縦中の動きを観察したりしていました。
 
 
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 左手の操縦桿で進行方向を操縦、右手でエンジンの出力を調整するそうです。
 
 
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 操縦訓練を行っていた学生の1人、奥くんに感想を伺いました。

奥くん:
最初は、外の様子、計器等チェックすべきところが沢山で、どんな動きをすればいいのか迷ったが、訓練を受けるうちに、チェックポイントがわかり始め、操縦しやすくなりました。

実際の飛行訓練では、これに加え、管制官からの指令も正確に聞き取る必要があり、すべてに神経を集中させなければなりません

訓練を受ける後ろ姿は、真剣そのものでありました!
 
 

■実機フライト(2021/3/4)

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 SKYCAMPの醍醐味の一つ! 実機フライト2日目の様子です。
 計4回実施される実機フライトプログラムで、学生は飛行機を操縦し、空の旅を体験します。
 2名・2名・3名の3チームにわかれた学生たち。この日は唯一の3名チームがフライトを行います。
 前日に初フライトを終えていることもあってか、学生の皆さんは緊張する様子もなく、楽しそうに搭乗を待っていました。
 
 
 
▼搭乗前に飛行機をチェック
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 搭乗前には必ず飛行機の状態を確認!チェック項目は約80にも及ぶそう。
 JGAS教官の方々と一緒に、機体の前後、翼の下…を細かくチェックして回ります。
 
 
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 確認が終了したら、いよいよ搭乗です!
 
 
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 搭乗後もコクピットで様々な確認を行っているようです。
 プロペラが激しく回転しだし、ついに離陸です!
 
 
 

離陸!

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 鹿児島空港の滑走路は約3km。実際の航空会社も使用する滑走路です。
 学生が乗る「シーラスSR20」の離陸時の速度は約65ノット(時速約110km)、ぐんぐん加速し、機体はあっという間に雲の彼方へ!
 この日はあいにくの曇り空でしたが、雲を抜けた学生の目の前にはどこまでも続く青空があったことでしょう!
 
 
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 なお、離着陸時は教官が操縦しますが、上空では学生が操縦桿を握るそうです。
 
 
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晴れた日はこのような青空が広がっているようです(JAC提供写真)。
 
 
 

着陸!

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 約50分間のフライトを終え、学生が戻ってきました。
 初日は好きな場所に飛行することができたそうで、鹿児島大学上空のフライトを楽しんだ学生もいたようです。
 
 
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 無事フライトを終え、JACのパイロットの方に感想を話す学生たち。
 なおフライト中はサングラスが必須アイテムだそうです(日差しから目を守るため)。
 サングラスと革のグローブを装着した学生は立派なパイロットに見えます!
 
 
 
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お疲れ様でした!
 
以上、SKYCAMP初日、FTD、実機フライトの様子をお届けしました。

■特別メッセージ
SAAB340型機 川端 葵 副操縦士から学生の皆さんへ

 パイロットは男性が多い業界ですが、女性も少しずつ増えており、JACでも女性がパイロットとして活躍できる環境を整備しているといいます。
 現在、JACに在籍する女性のパイロットは4名。そのうちの一人として活躍する川端 葵 副操縦士に、SKYCAMPに興味のある学生へメッセージをいただきました。
JAC運航企画部
SAAB340型機副操縦士
川端 葵さん
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「ルリー(JACのマスコットキャラクター)」と「さっつん」を手に
 
【略歴】4年制大学の文系学部を卒業後、海上保安庁に入庁。7年間パイロットとして勤務した後、3年前JACに入社。パイロット飛行歴は約1000時間(約7年間)。
 
川端副操縦士:
 パイロットは男性が多い仕事ではあるのですが、実際には男女関係なくできる仕事なので、興味を持っていただけるなら、ぜひSKYCAMPにチャレンジしてもらいたいと思います。
 
 
―――川端副操縦士は育児休業を取得され、復帰されたそうですね。
 
川端操縦士:
 はい、私がJACの乗務員として初めて産休・育休を取得しました。出産をするとそれだけ訓練に費やす時間が少なくなるという事実があって、そこをどう上手にこなしていくかというのは私自身の課題です。ただ会社には、出産前からしっかりサポートしてもらえたので、安心して復帰ができました。

 

 厳しい訓練は全員に課されるので、男女の違いは全くないと話す川端副操縦士。

 将来の夢は「おばあちゃんになるまで飛びたい!」だそう。JACでは、60歳の定年後も、健康状態等によって68歳の誕生日前日まで勤務することができる制度があるそうです。

 

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開講式での川端副操縦士(右から3番目)

 


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