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第151回国際島嶼教育研究センター研究会のご案内

[14.06.16]

 国際島嶼教育研究センター研究会を下記のとおり開催いたします。

 皆様方多数のご参加をお待ちしております。

 

【日時】7月14日(月)午後4時半~

 

【会場】総合教育研究棟5階国際島嶼教育研究センター会議室

 

【講師】全京秀(国際島嶼教育研究センター客員教授)

 

【演題】「100歳と長寿の文化人類学~沖縄・済州島他諸外国470人インタビュー~」

 

【要旨】

百歳人の特性は、民族誌作成のフィールドワークの中で個人的な面談を通じて明かされるさまざまな範疇についての記憶、仕事および労働倫理、人生についての態度そして、食べ物のような範疇を通して帰納的に理解されるものである。彼らの家族構成員および友達と関連した意識に関する記憶は彼らの社会的ネットワークとの関係を表している。一部の記憶はとても古くなり民族誌的面談の間に思い起こすことが難しい場合もあった。また、一部の百歳人は不幸な記憶を話したがらなかった。このような場合には大概、口数少ない面談に終わったため研究者は正確な内容を聞くことができず、その結果百歳人は社会的人生としてだけでなく研究対象としても無視される傾向がある。老年学者が使用する日常の暮らしに関する調査活動のような構造的なアンケートは百歳人の研究に使用することができない。民族誌的な研究は百歳人の身体的反応と記憶回想力と関連したゆっくりした精神的な過程を調整しながら待つ時間と忍耐心を必要とする。このような状況がまた、百歳人の研究を天佑神助的なものにするのである。フィンランド、サルデーニャ、ウェスカおよび沖縄の多くの百歳人は病院で寝たきりの生活を送っている。ウイグルと済州島では、彼らの大部分は家で家族と共に生活しており、一部の百歳人はまだ畑で仕事をしたりもする。寝たきりで生活する多くの百歳人が人間化石になっていくことは事実だが、皆が皆そうであるわけではない。18世紀の済州島の牧使は王に「80代と90代の人々は幸せの象徴である。百歳人は国家にとっての非常に重要な象徴である」と報告した。百歳人は化石ではなく社会の宝石と見なされていたのである。未来の「年齢地震(agequake)」に順応する長寿文化を過去の社会で老人を遇してきて伝統的な脈絡に基づいて再発明されなければならないのではないだろうか。

 

【お問い合わせ】

国際島嶼教育研究センター

〒890-8580鹿児島市郡元1-21-24

電話099-285-7394FAX099-285-6197

E-mail:shimaken@cpi.kagoshima-u.ac.jp

<mailto:shimaken@cpi.kagoshima-u.ac.jp>