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鹿大生の活躍(ピックアップ)第1回

鹿大だより(保護者向け広報誌)に掲載した「留学だより」インタビューのロングバージョンをお届けします。

 

鹿大だよりは広報センターが発行する保護者向け広報誌です。

 

★​第16号(2015年10月発行)「留学だより」より

 

迫田 真理恵さん
迫田さん
法文学部人文学科4年
留学先:シドニー工科大学(オーストラリア)
留学期間:2014年7月~2015年6月

 
-留学に興味を持った動機と、保護者の方の反応を教えてください
 
 高校生の時に、留学にかっこいいというイメージを抱いていたのと、その当時は将来英語の教師になりたいと思っていたことがあって、数少ない機会にALTの先生や海外の人に話しかけたりしていました。しかし授業で習う英語だけではコミュニケーションを円滑にとることが難しいということを感じました。その時に、自分が本当の意味で子供たちに英語を教えたいなと感じました。そのためには実際に自分が海外へ行き、コミュニケーションや異文化理解などの経験値を高めるべきである、それが初めて留学を意識したきっかけだと思います。
 大学生になり、留学生と接する機会が増える中であらためて留学を意識するようになりました。大学2年の時に参加したカリフォルニア州の北米教育研究センターでの1ヶ月の研修が初めての海外でした。2週間のインターンシップと現地の大学訪問や現地の大学生を交えてのフォーラムが主な研修内容でした。インターンシップでは、職員の方と一緒に働くことを通して、海外で働くことの現実や、海外に居るからこそ分かる日本の良さについて学びました。研修での様々な活動を通して、日本と海外の授業スタイルの違い(例えば、プレゼンの方法や授業への積極性など)に惹かれて、留学してそういうことを自分で見て感じて学べたらな、と留学を目指す大きな刺激となりました。
 両親には、ぼんやりとですが高校時代に留学への興味を伝えていました。大学2年生の時にアメリカに行った際は積極的に背中を押してくれる感じはなかったですが、「大学の研修プログラム」ということで前向きに理解してくれたのかな、と。アメリカから帰国後、次は長期でシドニー工科大学へ行きたい!と告げると、「また!?」というような反応だったので、交換留学への応募や様々な準備についてはほとんど両親には相談せず、事後報告という形でしぶしぶ留学を認めてもらいました(笑)。両親に心配をかけることがないよう、留学中は2週間に1回程度は連絡を取っていました。
 
 
-シドニー工科大学を選択されたのは?
 
 英語圏への留学を考えて、アメリカのジョージア大学やオーストラリアのニューイングランド大学も検討しましたが、最終的には、留学生を支援するシステムが最も整っていると感じたシドニー工科大学に決めました。日本との時差がほとんどないことで家族や友人に連絡を取りやすいと思ったのも理由の一つです。
 シドニー工科大学には2学期間在籍しましたが、前期は「オーストラリアの文化を学びながら英語力を鍛える」という人文学科内のコース、後期はビジネス学部のマーケティングの授業とフランス語を受講しました。
 
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写真:ウェルカムパーティで寮の仲間と
 
 
-現地で苦労したことや印象に残った体験を教えてください
 
 シドニーに到着して1日目のことですが、その時の感情や新鮮さは今でも忘れていません!これから毎日生活する寮をとても楽しみに期待しながら向かったのですが、いざ寮の6人部屋に入ってみると、びっくりするくらい散らかった台所にアルコールの瓶が散らかり、リビングには泥酔した男の子が寝ていて、、、という長旅の後にやっとたどり着いた状態の私には衝撃的瞬間でした。
 前日がパーティだったことを後になってから知って納得しましたが、その時にはオーストラリアなまりの英語が聞き取れず、状況が理解出来ませんでした。英語でコミュニケーションがほとんどとれない状況が1か月くらい続き本当にたいへんでしたが、このままじゃいけない!と気持ちを切り替えて積極的に行動を始めました。今考えると、どんどん新しい表現方法を覚え、聞き取れる会話も増え、英語力が上がっていると実感できる楽しい時期でもありました。ルームメイトや大学の教授とのコミュニケーションが取れるようになってからは比較的生活しやすくなりましたが、TOEFL試験などを受けて英語力向上に努めました。
 過去に留学をしていた先輩から「自分から行動しなければ何もやって来ない」と言われていたので、旅行やパーティなどリラックスできることから、インターンシップやボランティアなど自分を高める活動まで、幅広い分野で積極的に行動をするよう心がけました。
 旅行には3ヶ月に1回ぐらい、大学が休みのときに長い時は10日ほどかけて、湖や山を旅しました。旅先やホステルで出会った同世代の高卒や大学休学中のバックパッカー達が1年間旅しながら、したいこと、出来ること、好きなことは何かをじっくりと見つけようとしている姿は、高校卒業→大学入学→新卒就職というコースが当たり前となっている日本人の感覚からすると、すごく面白く感じました。リラックスして生きる楽しさ、という新たな価値観を私に与えてくれました。
 インターンシップを募集している企業を見つけるのが難しかったので、自分で現地の日系企業にアポイントを取り1ヶ月間働かせてもらいました。このことは、実際に働くとはどういうことなのかを少しでも理解することができた貴重な体験でした。
 
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写真:アボリジニとのダンス
 
 
-今回の留学で得たものは何でしょうか?
 
 戦争や経済的不安により難民としてオーストラリアに移住している人が沢山いて、その人達は故国に戻らない決心をしています。私は日本に戻ることを当たり前と思っていたから、日本と海外の違い、海外で何が起きているかにすごく関心を持つようになりました。
 世界にはさまざまな価値観が存在していて自分の価値観を相手に当てはめないようにするというのは1番学びました。自分や日本の常識だけを持って相手を捉えてしまうとトラブルの元になってしまうのではないかと感じます。自分の常識を相手に当てはめようとはせず、文化の違いや価値観の多様性を理解することが大切だと思います。これは、日本人同士でも気を付けなければならないことですけどね。
 
 
-今後の学生生活や進路にどのように活かしたいですか
 
 進路については、見つけた夢に向かって積極的に活動したい。留学前は1年間を120%の力で頑張ろう、と思って行ったんですが、まわりのリラックスした雰囲気の影響か、積極的にいろいろと参加していたのが、留学後半になると馴れととともに関心が薄れたことや自分の時間を大切にするようになったこともあり、最後は80%の頑張りになったと後悔しています。帰国してからあらためて思うと留学中はかけがえのない1日1日でした。が、その当時はそのありがたみを忘れてしまうこともあり、時間を無駄にしてしまった日もありました。今後、毎日をもっと大事にしたいですね。
 
 
-これから留学する人へのアドバイスをお願いします
 
 長期留学を考えている人には、行く前に、こうなりたいとのゴールを持って留学してもらいたいですね、海外という、日本とは異なった文化や価値観が存在する環境で生活する中で落ち込むことや困ることは結構あるので、目標を明確にしっかりとしたビジョンを持っているといいのではないかと。留学先で生活していく中でいろんなことに関わる機会はあるのでそれから決める方法もあるけど、自分が留学で何をしたいのかを認識してから行くほうが軸がぶれないと思う。どちらにしても海外の文化を思う存分吸収して柔軟に生きていくことも大切です。
 
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写真:帰国前夜のお別れパーティ
 
 
迫田さん、どうもありがとうございました!
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